エコトピック

2021.04.08

脱炭素宣言後、国民の意識はどう変わった?内閣府 世論調査!

世論調査

2021年3月19日、内閣府が【気候変動に関わる世論調査】を公開しました。2020年10月26日に菅首相が2050年脱炭素宣言をした直後に行われた調査です。過去の調査結果と比較して、どのような変化があったのでしょうか。

◆この記事は、下記の調査をもとに、株式会社エコ・プランで抜粋、グラフ化、解釈の追加を行ったものです。掲載順は実際の調査項目順とは異なっています。調査の詳細や有効回答数などは、直接下記調査報告をご確認ください。

・気候変動に関する世論調査(令和2年11月調査)内閣府
  https://survey.gov-online.go.jp/r02/r02-kikohendo/index.html


 
 どんな調査なの? 

【気候変動に関わる世論調査】は、郵送法全国の47都道府県18歳以上を対象にした調査です。有効回収数1767人となっています。

各調査項目に対して、年齢別、都市規模別の該当者数と結果が公表されており、過去に同様の調査をしている場合は、その調査結果も併せて紹介されています。

これまでの日本人の地球環境に対する意識はどう変化してきたのでしょうか。

 
地球環境に関する関心は高くなった?

下図は、調査結果をもとに、「関心がある」「ある程度関心がある」を「関心がある」、「あまり関心がない」「全く関心がない」を「関心がない」にまとめ、弊社で棒グラフにしたものです。

◆質問項目
 あなたは、地球の温暖化、オゾン層の破壊、熱帯林の減少などの地球環境問題に関心がありますか。それとも関心がありませんか。(○は1つ)


平均すると8割を超える方が、「関心がある」という結果になっています。年齢別に見ると、年齢が上に行くほど関心が高いことがわかりました。一方で18~39歳までの年齢層で、関心がない割合が2割を超えています。

環境問題に関する関心

過去の調査結果を参考に見ると、調査年度ごとで、該当者数に相違があり、質問の仕方にも多少違いがありますが、地球環境に関する関心が高くなってきている、とは残念ながら言えない結果となりました。

環境問題に関する関心 
 
気候変動について、そもそも知ってる?

気候変動の影響について、そもそも知っているかどうか、については、93.6%の方が知っているという回答でした。つまり、知っているうえで「関心がない」、と回答している人もいる、ということになります。

◆質問項目
 気候変動は、農作物の品質低下、野生生物の生息域の変化、大雨の頻発化に伴う水害リスクの増加、熱中症搬送者の増加といった形で、私たちの暮らしの様々なところに影響を与えています。あなたは、地球温暖化などの気候変動により、このような様々な影響が出ることを知っていましたか。(○は1つ)


認知度 エコ作成

【知っていた】と答えた人は、どこから情報を収集しているか、追加の質問がありました。その調査結果が下記の図です。

気候変動影響の情報入手方法

テレビ、ラジオ、新聞、雑誌、本が大半を占めています。18~29歳については、学校などの教育機関やTwitter、FacebookなどのSNSをきっかけにして知った割合が多くなっていることが特徴的です。

 
身近にどんな気候変動の影響を感じる?

身近にどんな気候変動の影響を感じるか、といった質問に対しては、夏の暑さや雨の激しさ、桜の開花や雪の降り方など、様々な変化を多くの方が感じていることがわかりました。

◆質問項目
 あなたが、日常生活の中で気候変動影響を感じることは何ですか。(○はいくつでも)


日常の気候変動変化 エコ作成
 
パリ協定の認知度は?

8割を超える方がパリ協定を知っていました。ただ、その6割以上が「名前だけ聞いたことがある」程度で、「内容まで知っている」人は1.7割でした。また、「知らない」と答えた人が多かったのが、18~39歳の年代で2割を超えていました。

◆質問項目
  あなたは、2015年にフランスのパリで開催された国際会議「COP(コップ)21」で採択された、温室効果ガス削減などのための国際的な枠組みである「パリ協定」を知っていますか。(○は1つ)


パリ協定認知度 グラフ
 
脱炭素ってどれくらいの人が知っているの?

脱炭素はの認知度は、年代によって大きな差が出ました。18~29歳は4.5割、30~39歳は5割なのに対し、60~70歳以上は8割を超えています。

◆質問項目
菅内閣総理大臣は令和2年10月26日の所信表明演説において、2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち「脱炭素社会」の実現を目指すと述べました。
「脱炭素社会」とは、人の活動による温室効果ガスの排出量と森林などによる吸収量が等しくなり、排出実質ゼロとなる社会をいいます。
あなたは、「脱炭素社会」について知っていましたか。(○は1つ)


 

脱炭素社会認知度 グラフ
 
脱炭素の取り組み、やりたい?

脱炭素の取り組みに対しては、ある程度取り組みたい方も含めると、どの世代も9割以上の方が取り組みたいと回答しました。

◆質問項目
あなたは、「脱炭素社会」の実現に向け、一人一人が二酸化炭素などの排出を減らす取組について、どのようにお考えですか。(○は1つ)


 

脱炭素取り組みたい?
 
日常生活で気候変動のために、行動に移していることは?

脱炭素の取り組みに多くの人が関心を持っている中で、実際に行動に移していることとして、「衣服の調整で冷暖房を適切に管理」「こまめな消灯」「省エネルギーの家電製品の購入」といった取り組みが大半を占めました。

◆質問項目
「1.積極的に取り組みたい」、「2.ある程度取り組みたい」と答えた方への質問
「脱炭素社会」の実現に向け、日常生活の中で、現在、取り組んでいることは何かありますか。(○はいくつでも)


 

取り組んでいること グラフ
 
日常生活でどんなことをやっていきたい?

脱炭素社会に向けて、これからどんな取り組みをやっていきたいかについては、「地球温暖化への対策に取り組む企業の商品の購入やサービスの利用」「エコドライブ」「省エネ家電を選ぶ」といったことが多くあげられました。

◆質問項目
「1.積極的に取り組みたい」、「2.ある程度取り組みたい」と答えた方への質問
「脱炭素社会」の実現に向け、日常生活の中で、現在取り組んでいないことで、今後、新たに取り組んでみたいと思うことはありますか。(○はいくつでも)


今後取り組んみたいこと グラフ
 
取り組む上での課題は?

取り組んでいる人に、課題を聞いた質問では、「どのように取り組めばよいか情報が不足している」「どれだけの効果があるのかわからない」「経済的なコストがかかる」「日常生活の中で常に意識して行動するのが難しい」「手間がかかる」といった回答がありました。

◆質問項目
あなたが、ご自身で気候変動適応を実践するに当たり、どのような課題があると思いますか。(○はいくつでも)


取り組むうえでの課題 グラフ
 
脱炭素に取り組みたくない理由は?

脱炭素社会にあまり取り組みたくない、全く取り組みたくない、と回答した人の理由としては、「どのように取り組めばいいか情報が不足している」「どれだけ効果があるのかわからない」といったものでした。

◆質問項目
「3.あまり取り組みたくない」、「4.全く取り組みたくない」と答えた方への質問
取り組みたくない理由は何ですか。(○はいくつでも)


取り組みたくない理由 
 
何が問題だと思ってる?

気候変動の影響で問題だと思うことは、「農作物の品質や収穫量の低下、漁獲量が減少すること」「洪水、高潮、高波などの気象災害が増加すること」「豪雨や防風による停電や交通まひ、インフラやライフラインに被害が出ること」と答えた人の割合が多くなりました。

◆質問項目
地球温暖化などの気候変動は、将来にわたって自然や人間生活に以下のような様々な影響を与えることが予測されています。あなたは、どのような影響を問題だと思いますか。(○はいくつでも)


問題だと思う気候変動影響 グラフ
 
政府には何を期待する?

政府に期待することとしては、「洪水、高潮、高波などへの防災対策」「農作物や品質や収穫量、漁獲量への対策」が多く、「気候変動影響や気候変動適応の取り組みについての情報提供」も次いで多くなっています。

◆質問項目
あなたは、今後、気候変動適応に関して、政府にどのような取組を期待しますか。(○はいくつでも)


政府に期待すること グラフ
 
最後に
アンケート調査

今回のアンケートでは、気候変動に多くの人が関心を持っていること、脱炭素社会の認知度は、若い世代で低いこと、脱炭素の取り組みをしたい気持ちはあること、など企業や地方自治体が脱炭素社会に向けて取り組む上で、非常に参考になる世論調査だったのではないでしょうか。

回答が選択式だったので、今回の回答以外の意見を持っている人もいるかもしれません。そうした意見を交換する機会は、コロナの影響もあり、減ってしまっているのかもしれません。

ただ今回の世論調査を知ることで、「みんな関心があるんだ」とわかれば、身近な人同士で話題にしやすくなるのではないでしょうか。

レジ袋有料化もそうですが、様々なきっかけを作ることが、関心度を上げ、周りの人との議論に発展し、行動へとつながり、大きな流れになっていくのではないかと感じます。

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