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2021.01.22

【国土強靭化】緊急対策が規模を拡大して延長 -防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策-

 気候変動の影響による災害の激甚化で、近年自然災害が私たちの生活に与える影響は大きくなっています。このような事態を踏まえ、国は2018年に、私たちの生活を支える電力や交通、通信などのネットワークが災害時にどのような影響を受けるかの緊急点検を実施しました。

 そして、特に緊急に実施すべき対策を3年間集中して実施するとして、「防災・減災、国土強靭化のための3か年緊急対策」を取りまとめました。
 
 2020年度はこの緊急対策の最終年度でしたが、未だに備えは十分ではなく、緊急対策を引き継いだ「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」を2021年から2025年にかけて実施することになっています。

 

激甚化する風水害や切迫する大地震等への対策 
12.3兆円程度(5年間)

 災害が発生してしまった際の被害を最小限に抑え、より迅速にもとの生活に戻ることができるよう、堤防の整備をはじめとしたインフラ投資や非常用電源の設置、建物の耐震性強化など、災害時の強靭性を高めるための事業を実施することになっています。

 河川の流域治水対策や港湾の津波対策、医療施設・社会福祉施設の災害時の強靭性の強化など、「人命・財産の被害を防止・最小化するための対策」として50の対策、道路ネットワークの機能強化や緊急輸送路の無電中化、電力網の強化など、「交通ネットワーク・ライフラインを維持し、国民経済・生活を支えるための対策」として28の対策が挙げられています。


 令和元年台風15号による電柱倒壊状況 出典:内閣官房ホームページ(https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kokudo_kyoujinka/5kanenkasokuka/pdf/kakutaisaku2.pdf

 電柱が倒壊すると道路を塞いでしまい、緊急車両が必要な場所に到達しづらくなってしまいます。救急救命・復旧に支障をきたさないよう、特に影響の大きい緊急輸送道路において電柱を無くし、電流の倒壊を未然に防ぎます。

 

予防保全型インフラメンテナンスへの転換に向けた老朽化対策 
2.7兆円程度(5年間)

 堤防や橋などのインフラの耐用年数は50年程度といわれています。そしてそれらのインフラは1960年代の高度経済成長期以降に集中的に整備されたことから、建設後50年を超えるものが近年増えてきており、そのメンテナンスが課題となっています。

 5か年加速化対策においては、これらの設備の長寿命化や、老朽化が進んだ設備の修繕を集中的に行います。壊れてから作り直すのではなく、事前に対策する取り組みを「予防保全」といい、長期的に見れば予防保全の方が費用を安く抑えられると試算されています。

 小中学校などの教育施設、道路・鉄道などの交通インフラ、老朽化した公営住宅など、様々な施設について、各省庁が防災能力の強化に努めます。

 

国土強靭化に関する施策を効率的に進めるためのデジタル化等の推進 
0.2兆円程度(5年間)

 インフラを長寿命化させるためには、日ごろのメンテナンスが欠かせません。しかし、少子高齢化により労働力が減少する状況においては、より効率的に実施しなければ、持続的に対応することはできません。

 そのため、5G・AIなどの新技術を取り入れた施工・維持管理の無人化を推進したり、スーパーコンピューターを活用した高度なシミュレーションにより、被害予測や確率予測を行い、自治体の防災計画などに役立てます。

 

最後に

 この「5か年加速化対策」の中での各対策を軸として、2025年まで公共事業や補助事業などが展開されていきます。具体的な補助内容などについては、各省庁や地方自治体から順次公開されていくのではないかと考えられます。

 各企業や組織の中長期的なBCPの策定や実施への参考としていただければと思います。BCP策定にあたってはこちらもご参照ください。

レジリエンス5か年計画

引用:内閣官房防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策 概要