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危険な室外機の簡易点検、どうすればいいの?

エコトピック
エアコン関連
危険な場所の室外機

業務用エアコンを所有している場合に必要となる簡易点検や定期点検ですが、室外機が危険な場所に設置されている場合、どうすればよいのでしょうか。今回はそんな疑問にお答えします。

危険な場所にある室外機は簡易点検しなくてよい?!

経済産業省と環境省の元、発行されている【簡易点検の手引き】2015年10月1日第2版 には6ページに下記の記述があります。

簡易点検の手引き 危険な場所

つまり、室外機が容易に見られない場所は点検しなくても問題ありません。

この手引きを発行した一般財団法人 日本冷媒・環境保全機構に確認したところ下記の回答がありました。

都道府県が行っているフロン排出抑制法の立入検査が仮にあった場合は、危険が伴うため簡易点検が難しいことを説明できれば、問題ありません。

危険個所の判断は、状況を確認したうえで、ケースバイケースで判断するしかありません。

もし、心配であれば、事前に、都道府県のフロン排出抑制法管轄部署に問い合わせをして、管理するエアコンの設置場所が、危険個所に該当するか確認いただくのが確実です。」

所有するエアコンの室外機が、危険な場所かどうか、簡易点検が必要かどうか、判断に困ったら、一度、エアコンが設置された都道府県の担当部署にご確認ください。

なお、室外機の簡易点検は、表面に油じみや霜がないか、目視確認するだけで、点検したことになります。窓や、建物の外から見える場合は、目視による確認でご対応いただけます。

危険な場所で、点検できない室外機からフロンガスが漏洩したら罰則はある?

東京都フロン対策室の担当者の方に確認をしたところ、下記の回答をいただきました。

まずは、点検の際に点検ができない機器は理由を記録しておいてくださいということでした。誰が聞いても誰が見てもやむを得ないと判断される事情がある場合、点検ができなかった機器から漏洩が発覚しても罰則の対象とはならないということでした。

ちなみに、フロン類算定漏えい量 1,000t-CO2 の台数の目安は、事務所に約1,500台以上のビル用パッケージエアコンを所有されている事業者という計算があります。

■参考:一般財団法人 日本冷媒・環境保全機構 

こんな時は、フロンガスが漏洩しているかも?!

危険な場所に室外機があるから、簡易点検しなくてもいい、罰則もない、といって安心はできません。フロンガスが漏洩していたら、こんな症状が出ます。

  • エアコンが効かない
  • エアコンが運転しない

それに、二酸化炭素の数千から一万倍も温室効果のあるフロンガスが大気中に放出されたら、さらなる異常気象や新たなウイルス発生につながりかねません。

室内機や周辺配管で漏洩か所が見つからない場合は、室外機からの漏洩が疑われます。危険な場所に設置されている場合、修理は足場やクレーンの手配などで高額になることが予想されるため、入替工事になる可能性があります。

こうした症状が出たら、専門業者にご相談ください。

最後に

危険な場所にある室外機の簡易点検についてまとめました。

  • 目視確認ができないか試してみる
  • 目視確認が難しい場合は、その機器が簡易点検できない理由を記録しておく
  • 心配な場合は、都道府県のフロン排出抑制法担当部署に連絡し、確認する

    業務用エアコンを適切に点検、管理する参考にしてください。

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