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エアコン2027年問題とは

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「エアコン2027年問題」をご存知でしょうか。

2027年度から”家庭用”エアコンに適用される省エネ基準が新しくなり、これに伴って今後のエアコン選びにも影響が出る可能性があります。

「2027年問題とはそもそも何?」
「エアコンの価格や省エネ性能はどう変わる?」
「業務用エアコンにも影響はあるの?」

今回は、エアコン2027年問題の背景や新しい省エネ基準の概要、エアコン選びへの影響について解説します。

あわせて、買い替えを検討する際に押さえておきたいポイントもご紹介します。

エアコン2027年問題の背景

エアコン2027年問題は、省エネ法とそれにより策定されたトップランナー制度に起因するものです。

まずはそれぞれの成り立ちについて簡単に解説します。

省エネ法の成り立ち

エネルギー資源がほとんどない日本ですが、それでも戦後経済の発展に伴ってエネルギー消費量は大きく増大しました。

そのような中で1970年代に起きた二度のオイルショックをきっかけに、産業部門を中心としてエネルギーを効率的に利用することへの重要性が高まりました。

この流れを受けて、1979年に省エネ法が制定されました。

トップランナー制度の成り立ち

省エネ法制定後、「省エネを推進する法的な枠組みの整備」や「政府による省エネ対策」が進められ、産業部門ではエネルギー効率が向上する一方で、民生・運輸部門ではエネルギー消費量が増加し続けました。

そのような中で1997年『COP3』の「京都議定書」の採択を受けて、1998年に省エネ法が改正。

これによるエネルギー消費効率基準が策定されました。

トップランナー制度とは

その時に商品化されたものの中で、エネルギー消費効率が最も優れているものをトップランナーの性能の基準と定め、将来の技術開発の見通し等を勘案した上で、目標年度までにその基準を達成することが求められる制度です。

今回適用されるのは”家庭用”エアコン

エアコンと言っても、その種類は様々あります。

大きく分けると、一般のご家庭で広く使用されている「家庭用エアコン」と、店舗やオフィスについているような「業務用エアコン」があります。

実は、そのいずれのエアコン※もすでにトップランナー制度は適用されています。(※水冷式など一部の機器は対象外です。)

どういうことか説明します。

以下表を見てください。

エアコンディショナーの種類ユニットの形態・機能冷房能力目標年度及び目標基準値
家庭用エアコンディショナー直吹き形で壁掛け形のもの
(マルチタイプのもののうち室内機の運転を個別に制御するものを除く)
4.0kW以下2010年度以降の各年度。
(2026年度まで)。
①に示す目標基準値を遵守。
4.0kW超2010年度以降の各年度。
(2026年度まで)。
②に示す目標基準値を遵守。
該当するすべてのもの2027年度以降の各年度。
③に示す目標基準値を遵守。
その他のもの該当するすべてのもの2012年度以降の各年度。
(2028年度まで)。
②に示す目標基準値を遵守。
2029年度以降の各年度。
③に示す目標基準値を遵守。
業務用エアコンディショナー該当するすべてのもの該当するすべてのもの2015年度以降の各年度。
④に示す目標基準値を遵守。
出典: 経済産業省 資源エネルギー庁「機器・建材トップランナー制度について」パンフレット日本語版(2 エアコンディショナー)

この表は経済産業省資源エネルギー庁の「エアコンディショナーの種類別の目標年度と目標基準値」の表です。

その中でも一番右側の「目標年度及び目標基準値」と書かれている項目があります。

2010年度以降、2012年度以降、2015年度以降…と書かれていますね。

これはつまり、エアコンの種類によって、目指すべき省エネ基準や、その目標年度が決められているということです。

家庭用エアコンのうち”直吹き形で壁掛け形”は2010年度以降、”その他のもの”は2012年度以降、業務用エアコンはすべてのタイプで2015年度以降と書かれていますね。

冒頭で記したように、いずれのエアコンであってもすでにトップランナー制度は適用されているというのはこういうことです。

そして次に「2027年度以降の各年度。③に示す目標基準値を遵守。」と書かれてるところを見てください。

対象となっているのは「家庭用エアコンのうち”直吹き形で壁掛け形”であるもの(マルチタイプのもののうち室内機の運転を個別に制御するものを除く)」です。

これが本タイトルにもあるように「エアコン2027年問題」と呼ばれるものの正体です。

家庭用・業務用エアコンにはすでにトップランナー制度が適用されているが、今回は家庭用エアコン(直吹き形で壁掛け形のもの)について2027年度から新基準が適用される、ということになります。

今回の適用でどうなるのか

業務用エアコンの場合

今回の「エアコン2027年問題」は、上述のように、主に家庭用の壁掛形ルームエアコンを対象とした省エネ基準の引き上げに関するものです。

業務用エアコンにもトップランナー制度は適用されていますが、今回の家庭用エアコンの基準引き上げとは別の基準が設けられています。

弊社のエンジニアからも「特別な影響はない」とありました。

家庭用エアコンの場合

  1. 今現在ラインナップ・販売されている中の低価格帯のエアコンは少なくなる可能性がある。
  2. 家庭用エアコンの販売価格は、省エネ性能の向上に伴い上昇する可能性がある。

トップランナー制度は、メーカーが出荷する製品ごとの出荷台数を踏まえて基準値を満たすことを求める制度となっており、基準値を満たさない製品の製造や出荷を禁止するものではありません。

しかし空調メーカー大手のダイキン工業を例に挙げると、壁掛形ルームエアコン2027年度モデルの全ラインナップを新基準に対応させており、未達成機種は作らない方向に舵を切っています。

もちろん全メーカーが一律になくすという話ではなく、メーカーによっては企業戦略により販売を続ける場合もあると考えられますが、トップランナー制度では、製品全体で基準値を満たす必要があるため、省エネ基準を満たさない壁掛形ルームエアコンを大量に販売することは、メーカーにとって難しくなると考えられます。

そのため、省エネ性能の低い低価格帯の機種は、今後市場から減少していく可能性があります。

また、各メーカーではより高い省エネを目指して今現在も技術開発が進められています。

コンプレッサーの制御技術の改良や節電制御、AIによる効率運転といった様々な技術が生み出されています。実際に高グレードの機種には省エネ性能や快適性・利便性を高める機能が搭載され、グレードによって価格も異なっています。

エアコンの価格は素材価格や製造・輸送コストなど様々な要因によって変わるため断定はできませんが、このような省エネ機能を含む高機能化が、価格上昇の一因になっていく可能性は否めません。

今どうすればいいのかのチェックリスト

エアコンの2027年問題が間近に迫る中、私たちはどのような対策を取ればよいのでしょうか。

一般的に、ルームエアコンの寿命は10年とされています。一方、内閣府の「消費動向調査」では、ルームエアコンの平均使用年数は13.7年、買い替え理由の67.7%は故障となっています(以下表参照)。

大事なのは「現状把握」とそのうえでの「買い替えの検討」です。

これらはあくまで目安ですが、使用年数が長くなるほど、故障による買い替えも視野に入れておく必要があります。

買替え状況の対象期間対象世帯ルームエアコン
集計世帯数平均使用年数買替え理由_故障買替え理由_住居変更買替え理由_その他
世帯年%%%
令和7年4月~令和8年3月二人以上の世帯全体42213.466.6421.6
単身世帯全体11513.360725.2
総世帯全体53713.465.14.722.4
令和6年4月~令和7年3月二人以上の世帯全体39414.272.14.313.7
単身世帯全体11813.668.63.417.8
総世帯全体5121471.34.114.7
令和5年4月~令和6年3月二人以上の世帯全体39714.170.8414.4
単身世帯全体1241466.15.617.7
総世帯全体5211469.64.415.2
令和4年4月~令和5年3月二人以上の世帯全体36113.665.15.818
単身世帯全体9813.262.27.113.3
総世帯全体45913.564.56.117
令和3年4月~令和4年3月二人以上の世帯全体36113.767.96.911.9
単身世帯全体1021469.62.916.7
総世帯全体46313.768.26.112.9
平均二人以上の世帯全体38713.868.5515.92
単身世帯全体111.413.6265.35.218.14
総世帯全体498.413.7267.745.0816.44
(出典:内閣府「消費動向調査」『主要耐久消費財の買替え状況』(令和3年4月~令和8年3月※直近5カ年)をもとに、エコ・プラン作成)

①現状把握

以下項目を早速チェックしましょう

  • エアコン使用年数は長くなっていないか。
  • 冷暖房の効きが悪くなっていないか。
  • 異音や異臭といった不具合がないか。
  • 室外機に油にじみがないか。
  • 熱交換器に腐食やサビなどがないか。

※「油にじみ」や「熱交換器の腐食・サビ」、「冷暖房の効きが悪い」が当てはまる場合は、冷媒ガスが漏えいしている場合があります。専門業者に点検をご依頼ください。

②買い替えの検討

Point

買い替える場合は「エアコンを10年使った時にお財布に優しいのはどれか」という視点で購入する

①のチェックリストを確認するなどして買い替えを検討している場合は、エアコン本体の価格だけでなく、10年間使用した場合のトータルコストを考慮して選ぶことをお勧めします。

エアコンの購入時には本体価格や設置工事費がかかり、使用期間中には電気代も発生します。

エアコンにかかる費用 = 本体価格 + 設置工事費 + 電気代(使用期間中)

エアコンの省エネ性能が高いほど、一般的に消費電力量を抑えられ、電気代の削減につながります。

では、エアコンの省エネ性能はどこで判断すればいいでしょうか。

一番簡単なのは次の3点です。

  • 期間消費電力量
    一定の条件で使用した場合の年間消費電力量の目安。数値が小さいほど消費電力量が少ない。
  • APF(通年エネルギー消費効率)
    エアコンのエネルギー効率を示す指標。数値が大きいほど効率が高い。
  • 省エネ基準達成率
    国が定めた省エネ基準に対する達成度。

これらの項目はメーカーカタログで確認することができます。

また、お店に行くと次の画像のような「省エネ性能ラベル」を見かけるかと思います。

ここでは「APF」「省エネ基準達成率」を確認することができます。

省エネ基準達成率については、達成していれば緑のマーク、未達成ならばオレンジ色のマークが書かれています。

ちなみに、「この製品を1年間使用した場合の目安電気料金」は「期間消費電力量」を基礎に27円/kWhで算出される目安値です。
※表示値には端数処理等による差異が含まれる可能性があります。

これらの数値を参考にして選ぶと良いでしょう。

2027年度省エネ基準 達成

2027年度省エネ基準 未達成

まとめ

価格が高いエアコンほど、必ずしも省エネ性能が高いとは限らないことはご留意ください。期間消費電力量やAPFなどの数値を確認し、本体価格だけでなく、10年間の使用を想定したトータルコストで比較して買い替えを検討することが大切です。

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