エコトピック

2020.11.13

手の洗いすぎは良くない?最適な手洗いと【常在菌】との関係


常在菌とは

人の体には、およそ数百兆個の細菌がいます[1]。この多くが腸の中にいますが、皮膚の表面にも、1平方センチメートルあたりおよそ100万個の細菌が生息しています[2]。これらの菌を常在菌といいます。

「そんなに菌がいるの!?」と驚いた方もいるかもしれませんが、常在菌は基本的に無害で、むしろ病原性微生物の繁殖を抑制する効果もあるのではないかと考えられています[3]

手の洗いすぎは良くない?

除菌や殺菌をすると、害のある菌と一緒に、無害な常在菌も殺してしまいます。これについて、東京医科歯科大学名誉教授の藤田氏は「手を洗いすぎてはいけない」という著書を出版しています[4]

同氏によると、手洗いは流水で10秒間するだけでよく、洗いすぎはかえって病原体が付着しやすい状態をつくってしまうそうです。ただし引用した記事では、個人の主張に留まり、学術的な根拠が示されていないことにご注意ください。

手洗いが必要なタイミング

たしかに、過度の手洗いにはデメリットがありそうです。一方、新型コロナウィルスなどの病原性が高いウイルスや細菌が付着している場合などは、洗い流したり除菌したりする必要があるでしょう。

では、必要な時にだけ手洗いをするとすれば、具体的にいつ手洗いをすればよいのでしょうか。国立医薬品食品衛生研究所によると、トイレの後帰宅した後調理前および調理中などに手を洗うとよいそうです[5]

一度立ち止まって、除菌の必要な場面、必要ない場面について考えてみるといいかもしれません。



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