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2021.04.15

地球温暖化対策推進法(温対法)改正!何が変わる?

国会議事堂 法律

2021年3月2日、「地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案」が閣議決定されました。どこが改正され、その改正にどんな意味があるのでしょうか。簡単に紹介します。


 
 3つの大きな変化! 

今回の温対法の改正で、大きく変わったことは、下記の3つの内容が追加されたことです。

温対法 改正内容
温対法 改正 概要資料

地球温暖化対策推進法の一部を改正する法律案


「2050年までの脱炭素社会の実現」が法律に明記されました!

2050年までの脱炭素社会の実現が法律に明記されたことは、政権が変わったとしても、脱炭素化の方向性は維持されることを意味します。

脱炭素社会にするには、時間がかかります。インフラや技術を革新する必要があり、その普及に伴った法律や制度も変えていく必要があります。2050年まであと29年ですが、様々な面で長期的な計画が必要です。毎回の選挙で投票数を獲得するために、方針が変わるようでは到底達成することはできません。

各自治体や企業は、国の大きな方針が法律で定まったことで、安心して投資や事業計画を立てることができます。そうした意味で、2050年脱炭素社会の実現が法律に明記された意味は大きいといえます。

温対法 改正分 2050年脱炭素部分

地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案新旧対照表

地方自治体に施策目標を追加!

知道府県、中核市以上の市も、自然的社会的に応じた区域内の排出抑制等の施策の計画策定義務に施策目標が追加されました。

また、脱炭素化を推進するための計画、認定制度の創設を務めることとし、市町村から認定を受けた地域脱炭素化促進事業計画に記載された事業は、関係法令の手続きワンストップ化の特例が受けられるようになります。

これまで脱炭素化を迫られていたのは主に大手企業でしたが、国だけでなく地方自治体も同じ目標を持つことで、円滑な合意形成へとつながり、地域課題の解決も期待できそうです。

地域の脱炭素化 フロー

地方自治体の脱炭素化については、再エネが足りない、といった話題をよく耳にしますが、環境省の試算では、日本の再エネポテンシャルは現状使われているすべての電力需要に対し、最大2倍の再エネポテンシャルがあるとしています。

再エネのポテンシャル

◆環境省 令和3年3月3日 地球温暖化対策推進法の一部改正法案及び再エネポテンシャル調査について

石炭火力や天然ガス、原子力がなくても、十分再エネだけで、電力を賄える可能性があります。

企業の温室効果ガス排出量を手続きなしでスピーディーに公開

企業(特定排出者)の温室効果ガス排出量について、電子システムによる報告を原則とすることで、スピーディーに公開できるようになり、どんな企業がどのくらい温室効果ガスを排出しているか、開示請求の手続きなしで確認ができるようになります。

◆特定排出者とは ※経産省 よくあるご質問 より

 
各種法律も脱炭素化に向け、修正!

今回の法改正に伴い、森林法、河川法、農地法、自然公園法、廃棄物処理法、環境影響評価法、省エネ法など、関連する法規制に修正が加わりました。

法改正 関連法

地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案新旧対照表

 
最後に

温対法の改正で、2050年の脱炭素化が法律に明記され、地方自治体の削減目標が設定され、自治体単位で再エネ100%や脱炭素化が進めば、おのずと石炭火力や原子力に頼らない社会になっていきます。

持続可能なエネルギーを循環させ、資源や資金も国内で循環できれば、これまで輸入という形で海外に流出していた富を国民に還元し、国内でエネルギーに関するリスク管理も可能となり、地方創生にもつながり、格差解消にもつながる。温対法を、そんな未来の第一歩のきっかけにしていきたいものです。

◆参考:環境省 地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案の閣議決定について



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