エコトピック

2024.01.09

【簡単に教えて!】GX基本方針って何?10年間で150兆円の投資を見込むGX分野の新たな指針とは?!

GX(グリーントランスフォメーション)


2023年2月にGX基本方針が閣議決定されました。この方針は、10年間で150兆円規模の投資を行い、日本の産業と社会構造を大転換するための方針です。

非常に重要な方針ですが、内容が多いため、「なかなか全貌が掴めない」、「よくわからない」、という方も多いのではないでしょうか。

弊社含め、全ての企業に関わるGX基本方針の内容について、いくつかの記事に分けて重要な部分を解説いたします。

今回の記事では、GXとは何か、またGX基本方針は大雑把にどのような内容なのか、説明いたします。


そもそもGXって何?

GXはグリーントランスフォーメーション(Green Transformation)の略です。直訳すると、【緑の変革】です。化石エネルギー中心の産業構造や社会構造を、クリーンなエネルギーを中心とする産業や政策に大転換していく取り組みです。

GXによって目指すものは、

自然環境に与える負荷の少ないエネルギーへの転換
その転換を経済成長の機会に結びつけること

の二つであり、経済成長という要素も含まれていることがポイントです。

参考:経済産業省 Meti Journal 「知っておきたい経済の基礎知識 ~ GXって何?」

GX基本方針とは?

GX基本方針とは、今後10年を見据え、下記の取組の方針をまとめたものです。

2030年度の温室効果ガス46%削減や2050年カーボンニュートラルの達成
・安定的で安価なエネルギー供給につながるエネルギー需給構造の転換の実現
・日本の産業構造・社会構造を変革し、全ての国民が希望を持って暮らせる社会の実現

政府は、GXを「戦後における産業・エネルギー政策の大転換」と位置付けており、GXを加速させることは「我が国経済を再び成長軌道へと戻す起爆剤としての可能性を秘めている」と捉えています。

GX基本方針策定の背景

欧米各国の政府は、近年GX分野に対して巨額の投資による支援を行なっており、GXの実現に向けた活動を加速させています。

GX投資支援

参照:経済産業省 「GXを実現するための政策イニシアティブの具体化について」

また、新たな市場やルールの形成も進められており、GXに向けた取り組みの成否が、企業や国家の競争力に直結する時代になってきています

その中で、日本は脱炭素に関連する技術的な強みを保有している分野も多いため、GXの実現による成長幅も特段大きいと考えられます。

実際、GX関連分野における日本の成長ポテンシャルが大きいとする分析は多数存在します。

GXによる成長ポテンシャル
GXによる成長ポテンシャル

参照:経済産業省 GX実現に向けた基本方針(案)について

このような背景を受けて、政府は2050年カーボンニュートラル実現等の国際公約と産業競争力強化・経済成長を共に達成するための方法として、GXへの大規模投資を見出しました

そこで、昨年の7月からGX実行会議が開催され、今年2月にGX実現に向けた基本方針が閣議決定されました。また、その方針に基づき、脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律案も5月に閣議決定されました。

GX基本方針の概要

GX基本方針は大まかに二つの内容に分かれています。

1. エネルギー安定供給を前提としたGXへの取り組み
2.「成長志向型カーボンプライシング構想」実現

1.は徹底した省エネに加え、再エネや原子力などのエネルギー自給率の向上に資する脱炭素電源への転換などの取り組みに関する内容です。

2.は、カーボンプライシング、つまり、企業などが排出するCO₂(カーボン、炭素)に価格をつけ、それによって排出者の行動を変化させる政策手法についての内容です。

1, エネルギー安定供給を前提としたGXへの取り組み
GXに向けた取り組み

経済産業省 「2030年度におけるエネルギー需給の見通し(関連資料)」p.70の図を元に作成

省エネ及びエネルギー安定供給に向けた主要な取り組みとして、以下の三つが掲げられています。

1-1. 徹底した省エネの推進
省エネの推進により、
・エネルギー使用量の削減を通した脱炭素社会への貢献
・危機にも強いエネルギー需給体制の構築
を目指します。

1-2. 再エネの主力電源化
再エネを主なエネルギー源にする、というこの項目については、S+3E(安全性:Safety、安定供給:Energy Security、経済性:Economic efficiency、環境:Environment)を前提に、最大限導入拡大に取り組むとしています。

1-3. 原子力の活用
原子力発電は、安全性を最重要視しつつ、エネルギー基本計画に定められている2030度電源構成に占める原子力比率20~22%の目標の確実な達成に向けて取り組む、としています。

2,「成長志向型カーボンプライシング構想」の実現
GXに対する投資

昨年5月、岸田総理は今後10年間に150兆円を超えるGX分野への官民の投資を実現すると表明しました。

そのために、GXに向けた取り組みや、それに対する投資の後押しを目指して、以下のような取り組みが実施される予定です。

2-1. GX経済移行債を活用した先行投資支援
政府は、新たにGX経済移行債を発行し、民間では投資判断が難しいような案件で、産業競争力強化・経済成長と排出削減の両立に貢献する分野への投資を促進する予定です。

2-2. 成長志向型カーボンプライシングによるGX投資インセンティブ
成長志向型カーボンプライシングによって、炭素排出の値付けを段階的に引き上げ、GX関連製品や事業の付加価値を向上させます。

これにより、GXに先行して取り組む事業者にインセンティブが付与される仕組みを創設します。

2-3. 新たな金融手法の活用
GX投資を加速するために、GX技術のリスク補完策(債務保証等)の実施が検討されます。



これらの取り組みにより、比較的リスクの高い事業を企業が行いやすくする狙いがあります。

最後に

いかがでしたでしょうか。概要だけでも内容が盛りだくさんのGX基本方針ですが、この記事によって少しでもその全体像が明確になれば幸いです。

次回の記事では「エネルギー安定供給の確保を大前提としたGXに向けた脱炭素の取り組み」について、より詳しく説明いたします。

また、GX基本計画の策定により今後は支援金・補助金の種類や予算額も増えると考えられます。

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