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2023年6月26日にIFRSが設置したISSB(国際サステナビリティ基準審議会)は、サステナビリティ関連の開示の基準としてIFRS S1とIFRS S2を公表しました。

ISSB issues inaugural global sustainability disclosure standards

◆IFRSとは:
・IFRS財団は、様々ある会計報告基準を国際的に統一しようと活動する機関(統一した国際会計報告基準がIFRS)。ロンドンを拠点とし、財務会計報告基準だけでなく、非財務情報の報告基準も公開。
 傘下である国際会計基準審議会(IASB:International Accounting Standards Board)と国際サステナビリティ基準審議会(ISSB:International Sustainability Standards Board)を通してIFRSの開発と推進を行っている。背景に影付きボックス

この2つの基準により、サステナビリティ関連の情報開示基準の世界的な統一が可能になると期待されています。

この記事ではISSBとは何か、IFRS S1とS2はどのような内容なのかについて説明いたします。

目次

ISSBって何?

国際基準

ISSBは「International Sustainability Standards Board:国際サステナビリティ基準審議会」のことで、企業のサステナビリティ関連の情報開示の世界基準を作成している機関です

サステナビリティ関連の情報開示とは?

サステナビリティ関連の情報開示とは、企業の経営計画に対して気候変動がどのような影響を及ぼしている・及ぼしうるのか、またそれに対して企業としてどのような対策や対応をとるのかを明確に示すことを指します。

気候変動の影響が今後さらに大きくなっていくと考えられる中、企業の存続と発展には気候変動への対策が不可欠になってきます。

そこで投資者は、企業の経営に影響を及ぼすような気候変動に対して、企業がどのような対策を行っているのかを投資の際の重要な判断事項とするようになっておりサステナビリティ関連の情報開示が求められるようになりました。

ISSBの特徴は?

統合

ISSBの特筆すべきところは、これまでたくさん存在していたサステナビリティ関連の開示基準を統一しようとしていることです。

これまでサステナビリティ関連の開示基準を定めていた機関として、

などがありました。

そのため、国や企業によって違う基準が採用される、という状況が発生し、投資家が企業間の情報比較を行うことが困難でした。

それに対して、ISSBは前述のCDSBとVRFを統一し、さらにTCFDの提言で要求されている開示内容も包含することで、サステナビリティ関連の情報開示の世界基準を作ろうとしています

ISSBは、これまでサステナビリティ関連の基準を開発してきた機関を統合し、既存の提言を踏まえて、包括的な基準であるIFRS S1とS2を作成しました

※ISSB設立の背景などについてより詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
わかりやすい!【IFRS】【S1、S2】って何?世界標準化する企業のサステナビリティ情報開示の動き

IFRS S1とS2の内容は?

S1,S2 何が違うの?イラスト

IFRS S1は「サステナビリティ関連財務情報の開示に関する全般的要求事項」が正式名称で、サステナビリティに関する開示全てに適用されるような普遍的なルールを定めています

一方、IFRS S2は「気候関連の開示」であり、サステナビリティの中の「気候関連」という特定の事項について開示するときのルールを定めています

この「気候関連」には、例えば温室効果ガス排出量などが含まれます。企業が温室効果ガス排出量を公表するときにどのような内容を含めなければいけないか、またどのように記載すれば良いのか、ということを知りたい場合、S2を参照することになります。

草案からの変更点は?

ISSBは2022年3月に初期の草案を公表し、企業や投資家にフィードバックを求めました。

そして、1,400件以上のフィードバックを受けて基準が修正され、今年6月に最終版が決定されました

フィードバックの内容は主に以下の4つでした。

  1. 提案された基準を導入するための更なるガイダンスやサポート、例の導入
    草案時点では定義が明確ではなかった用語や不明瞭だった記載事項について、追加のガイダンスが求められました。
  2. 各地域の基準との相互運用性
    現在開発中の欧州サステナビリティ報告基準(European Sustainability Reporting Standards)のような各地域や国の基準と同時に運用できるような基準の重要性が強調されました。
  3. IASBとISSBの相互連関性の重要性
    会計情報の開示とサステナビリティ関連の開示が連動していることの重要性が強調されました。
  4. 比例性の必要性
    規模が小さい企業や発展途上の国の企業は、開示に必要な情報を取得するためのリソースがない可能性が指摘されました。これを受けて、企業の規模や環境に応じた開示を求めることが決められました。
    また、特に導入初年度について、IFRS S1、S2に準拠するためには膨大なリソースが必要になることが危惧されました。そこで、導入初年度は、いくつかの項目について開示が免除される旨が決定されました。

日本の企業はIFRS S1、S2を適用する必要があるのか?

そもそも、日本においてはIFRS基準での情報開示が義務化されていません

現在、世界では160カ国ほどがIFRSの基準の使用を求めており、そのうちの大半が国内企業のIFRS基準適用を義務化しています

IFRS基準適用を義務化している国々(145カ国)

IFRS基準適用を義務化している国々(145カ国)

一方、日本は使用を認めているものの、義務化をしていない数少ない国の1つです。実際、日本でIFRSを任意適用している企業は2023年8月末時点では273社にとどまっており、これは上場企業3899社のわずか7%です。

使用を認めているものの義務化していない国(12カ国)

使用を認めているものの義務化していない国(12カ国)

※参照
Who uses IFRS Accounting Standards?
(上記のサイトは情報の更新が頻繁に行われていないため、あくまでも目安としてご覧ください。各国の詳細な導入状況については追加の情報収集を行いますようお願いいたします。)
IFRS(国際財務報告基準)への対応
日本取引所グループ 上場会社数・上場株式数

IFRSを適用している企業はいつからS1、S2を適用すれば良いの?

IFRS S1とS2は、2024年1月1日以降に始まる会計年度について適用しなければなりません

IFRSを現在適用している日本企業は、早急な準備と対策が必要となります。

ただし、前述の通り、一部の要件について導入初年度は開示が免除・緩和されることがあります

IFRSを適用していない日本企業にはIFRS S1、S2は関係ないの?

では、IFRSを適用していない日本企業にとってIFRS S1、S2が他人事なのかというと、そうではありません

なぜなら、日本においても将来的にIFRS S1、S2と同じような基準が適用される予定であるからです。

日本にはSSBJ(サステナビリティ基準委員会)という機関があり、この機関はISSBと密に連携をとりつつ、現在IFRS S1とIFRS S2に相当する基準(日本版S1基準、日本版S2基準)を開発中です。

SSBJの定める日本基準はISSBのS1、S2をベースとして開発され、これに日本独自の要求事項が上乗せされる形になることが予想されます。

※参照:国際関連情報 IFRS財団アジア・オセアニアオフィス活動報告

その草案は2023年度中に公開され、2024年度中には確定される予定です。確定後は、相応の準備期間を設けた後、強制適用が求められる可能性があります。

草案と確定基準の公表目標時期

※参照:SSBJ 「現在開発中のサステナビリティ開示基準に関する今後の計画」

このような理由から、例え現在IFRSへの準拠を考えていない企業であっても、将来的にはIFRS S1、S2と同等の基準が日本においても採用されることから、IFRS S1、S2の理解とその導入に向けた準備が不可欠となります。

最後に

IFRS S1とS2は、今後サステナビリティ情報開示の世界基準として広く適用されます。

日本では適用が義務化されていないものの、将来的には同等の基準が採用される予定で、企業は対策が必要です。

IFRS S1とS2は現時点では日本語では公表されておらず、情報収集が困難です。

IFRS S1とS2の考え方の土台となっているTCFDについて解説している記事も、ぜひご覧ください。
気候危機のリスクを、企業価値に反映する手法【TCFD】とは?

弊社の温室効果ガス削減目標は、2018年を基準として、2030年までにSCOPE1、2を50%削減することを目標としています。2022年度は5回目となる算定でした。
SBTでは、最低5年ごとに、目標を見直し、必要に応じて再計算や、目標が最新の水準に沿っていない場合は目標の更新を求めています。

そこで弊社も算定方法の見直しを実施しました。

目次

SBT目標 5年目の見直しについて 

SBTの公式ウェブサイトで公開されている「SBTi基準」(SBTi criteria)には、下記の記述があります。
※自社にて翻訳(翻訳内容についての一切の責任は負いかねます)

*C26 – 目標の再計算を義務付ける:

最新の気候科学やベストプラクティスとの整合性を確保するため、最低5年ごとに目標を見直し、必要であれば再計算して再検証しなければならない。※一部省略
以下のような変化があれば、目標再計算のきっかけになる:

出典:◆参照:公式 SBT ウェブサイト「SBTi基準(SBTi criteria)」

つまり、5年も経過すれば組織が変化することを想定し、計算方法が適切か、漏れがないか見直して、修正すべき部分を修正すること、また、従来水準の目標(2度目標や、2度を十分下回る目標)を設定している企業は、最新の1.5度水準の目標に更新しなければいけないことになっています。

弊社が算定方法を見直した部分とは?

弊社も、2022年の算定の際に見直すべき部分の有無について、確認しました。

SCOPE1,2については、特に大きな変更はありませんでしたが、SCOPE3では各カテゴリにおいて、全面的に見直しをしました。

【再計算】カテゴリ1 購入した製品、サービス 

購入した製品、サービスの中で、「水」(上水道)について、これまでCFPの排出係数を使用していました。ただ、CFPの排出係数は2020年に公開が終了しました。

2021年度の算定では、公開は終了しても、以前と同じCFPの排出係数を使用して、算定をしておりましたが、今回の見直しで、IDEAv2の排出係数に変更しました。

基準年についても算定し直しました。

【再計算】カテゴリ2 資本財

カテゴリ2については、見直しを実施しましたが、変更する部分はありませんでした。

【再計算】カテゴリ3 SCOPE1,2以外のエネルギー活動

カテゴリ3についても、カテゴリ1の水と同様に、ガソリン、軽油、LPG、都市ガスについて、CFPの排出係数を使用していた為、IDEAv2の排出係数に変更しました。

基準年についても算定し直しました。

【再計算】カテゴリ4 輸送、配送

カテゴリ4についても、トンキロ法のトラック輸送に関する排出係数について、CFPの排出係数を使用していた為、IDEAv2の排出係数に変更しました。基準年についても算定し直しました。

また、カテゴリ4を算定する際に使用していた設置台数について、カウントの際のルールや業務を整備し、集計条件も見直し、全社的に、より正確に把握できるようにしました。

基準年についても算定し直しました。

【再計算】カテゴリ5 事業から出る廃棄物

カテゴリ5については、全体的に大幅に変更しました。

基準年についても算定し直しました。

【再計算】カテゴリ6 出張

カテゴリ6については、宿泊の泊数を宿泊費から割り戻し、環境省の泊数を元にした排出係数を使用していましたが、宿泊費をそのまま使用して、IDEAv2の宿泊サービスの排出係数に変更しました。

基準年についても算定し直しました。

【再計算】カテゴリ7 通勤

カテゴリ7については、見直しを実施しましたが、変更する部分はありませんでした。

【再計算】カテゴリ11 販売した製品の使用 

カテゴリ11については、カテゴリ4と同様の設置台数を活用しており、カウントの際のルールや業務の整備、集計条件の見直しにより、全社的に、より正確に把握できるようになりました。

また、年間消費電力量の代表機種の見直し、年間消費電力量算定方法の見直し、電気排出係数の見直しを実施しました。

基準年についても算定し直しました。

【再計算】カテゴリ12 販売した製品の廃棄 

カテゴリ12については、カテゴリ4、11同様の設置台数を利用して算定しているため、同上の変更がありました。

最後に

弊社の5年目の算定は、これまで算定に関与していなかった関連部署の担当者を含め、チームで算定方法の検討を実施しました。

算定に参加した各々が、多くの気づきや、自社の体制及び算定方法について、より深く理解することができました。

SBTで求めている、「目標設定してから、最低5年ごとに算定の見直しや再計算」を実施することは、非常に重要で貴重な機会です。参考までに、基準年の排出係数を変更した一覧は下図です。クリックすると拡大します。
※新たに追加した項目は除いています。

検証の必要性が増していますが、今回の弊社の見直しが、【正解】というわけではありません。SCOPE3の算定は各社のその時点での異なる状況を踏まえながら行われるため、正解はありません。だからこそ今後も継続的に見直しを実施していきます。

企業の温室効果ガスを算定する際に、一番先に行うこととして、【スクリーニング】があげられます。

スクリーニングの意味は、「ふるいにかけること、選別、選抜」といったものですが、温室効果ガスの算定、特にSCOPE3の算定の際に使われる場合は、主に「財務情報で大まかに算定して、全体の排出量の割合を確認し、主な排出源(ホットスポット)を特定する」意味合いで使用されます。

弊社のSCOPE3の算定は、これまではスクリーニングをせずに、算定していましたが、今回、スクリーニングと実際の算定でどのような結果(差)になるのか、検証するため、スクリーニングを実施しました。
※スクリーニングは必ずやらなければいけないものではありません。

目次

スクリーニングってどうやるの? 

スクリーニングは主に財務情報、つまり金額データを使用して、算定していきます。

金額データであれば、どんな会社でも決算で毎年使用するため、手元にデータが揃っているはずですし、会社全体の活動を網羅的に把握することができます。

弊社のこれまでの算定方法を、金額ベースで算定するために変更した点は下記のとおりです。(クリックすると拡大します)

スクリーニング 比較

参考までに、下記がスクリーニングで使用(変更)した排出係数です。(クリックすると拡大します)

スクリーニングと実際の算定結果との比較!

スクリーニング比較結果

スクリーニングで算定した数値と、これまでの方法で算定した数値を比較すると、カテゴリ4では、算定の仕方は全く違いますが、数値はほとんど変わらない結果となりました。

カテ11についても114%増えただけで、予想していたほど大きな差は出ませんでした。

一方、カテ5は8倍に、カテ12は850倍になりました。

カテ5については、スクリーニングで算定した場合、リサイクルの区別がない排出係数を使用したため、大きな差が生じました。

またカテ12が、スクリーニング算定で大幅に増えた要因としては、下記があげられます。

全体のCO₂排出量合計は、スクリーニング算定では120%増える結果となりました。

最後に

スクリーニングの目的は、企業の温室効果ガス排出量の全体像を把握し、主要な排出源がどこなのか、特定することです。

今回、スクリーニングの算定に挑戦し、通常の算定結果との違いを見ていく中で、ほとんど変わらないカテゴリもあれば、大幅に増えたカテゴリもありました。

ただ、企業全体の温室効果ガス排出量の中で、カテゴリ11が最も大きい排出源であることや、次に大きい排出源はカテゴリ1であることなど、ホットスポットを把握する上では、スクリーニング算定は、通常の算定と9割以上同じ結果となりました。

廃棄物に関わるカテゴリ(カテゴリ5、12)については、廃棄物の種類や処理方法により排出係数が全く違うので、スクリーニング算定の場合は増えてしまう傾向がありそうです。

企業の温室効果ガス排出量を把握する際は、「まずは、手元にある財務データをもとに、スクリーニング算定し、全体像とホットスポットを把握する」、ということをよく聞いていましたが、実際やってみて、「確かに!やってみる価値はあるな」と感じました。

2023年8月28日、岩手県庁が主催した【温暖化防止いわて県民会議若者ワーキンググループ】の第2回目に、参加させていただきました。

岩手県では、岩手県内の脱炭素化の取組を進めるため、若者ワーキンググループを設置し、県民・事業者・行政に今後の進むべきアクションの提言の勉強会や意見交換を行っています。

岩手県の担当の方が、弊社のウェブサイトや公開情報をご覧いただき、お声かけいただきました。地方自治体の脱炭素の取り組みに少しでも貢献できたら幸いです。

◆当日のワーキンググループ詳細及び資料はこちら

岩手県庁公開情報 【温暖化防止いわて県民会議若者ワーキンググループ】の第2回目 

2023年の7月は、地球全体で過去最高気温になりました。

※参照:気象庁

SBT 2022年レポートでは、2022年、ヨーロッパでは気温が47度を記録し、熱波で6万1000人以上が亡くなったと報告がありました。

※参照:SBT ウェブサイト「SBTiモニタリングレポート2022」

2023年は2022年の世界平均気温をさらに上回っている、ということです。

IPCCの予測では、2100年に最大4.8℃上昇する、というシナリオを公開していますが、「世界平均」なので、場所によってはより高くなる場所、あまり変わらない場所が存在します。

※出典:環境省
RCP8.5

では、「東京の気温はどうなるのか」、気になって、気象庁の過去のデータを元に、独自に予測してみました。

目次

1875年から2023年までの東京の8月の日最高気温平均値

8月の日最高気温平均値

上のグラフは、気象庁の1875年から2023年までの東京の8月の日最高気温平均値を、1875年から2023年までの平均値は31.6度を軸としてグラフ化し、近似曲線を表示しました。(黒の点線)また、2000年からのデータのみの近似曲線を別途表示しました。(赤の矢印)

グラフから、2000年以降の東京の8月の日最高気温平均値が上昇傾向であることがわかります。

仮に、2100年までそのまま赤い矢印を延長させると、気温上昇は約8度、つまり、31.6度+8度=39.6度、約40度、ということになりました。 (IPCCの世界平均気温が最大4.8度上昇という予測より東京の気温上昇率は高い可能性)

2000年からの気温上昇率を2050年以降に当てはめた場合

8月の日最高気温平均値

上項のグラフの、黒の点線と、赤の矢印の角度を分度器で測ったところ、30度でした。
今後、どんどん熱くなるという予測の元、仮に2050年でさらに赤矢印の角度を30度上げてみました。
(2050年を起点にしたことに何の根拠もありません。)

すると、約20度上昇、つまり、31.6度+20度=51.6度 となりました。

2100年の8月の東京の日最高気温平均値は51.6度・・・(あくまで素人の予測です。2030年や2040年を起点にした場合、もっともっと上げ幅は大きくなります。)

最後に

今回、世界平均気温上昇より、東京はより高い気温になる可能性が、見えてきました。(個人的見解)

上記予測はあくまでも日最高気温の平均なので、8月の中で、平均を上回る気温も十分に考えられます。つまり52度越え・・・とか。

日本は湿度も高いので、より過酷になることが予想されます。

今後、気温上昇の上げ幅がどのように変化していくかは未知数ですが、夏場の日中の屋外は、仕事をするにも、スポーツや、歩くだけでも危険になっていくのかもしれません。

今回の予測はあくまでも素人の個人的な予測です。このデータや予測から派生するあらゆる責任は負いかねます。予めご了承いただき、何かの参考にしていただければ幸いです。

令和5年度地域プラットフォーム構築事業における省エネセミナーです。
山梨県の中小事業者様や『脱炭素・省エネ・補助金』にご興味ある方はぜひ参加ください。

目次

【1部】山梨県の中小企業の脱炭素化に向けた取り組み

2023年8月31日に、来年度予算について各省庁から概算要求が公開されました。
その後に開かれるこちらのセミナーでは最新情報の解説も毎年されています。
今回は山梨県 環境・エネルギー政策課に登壇して頂き、脱炭素化への取り組みについてお話して頂きます。

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【2部】中小企業における省エネ・脱炭素の捉え方

一般社団法人カーボンマネジメントイニシアティブ 理事 『関 一幸』氏

【3部】最新!来年度補助金の動向及び活用術

ES株式会社 補助金事業部マネージャー 『前田 憲一』氏

【個別相談会】※事前申込必須

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各事業者様の個別固有のお悩みについて、コンサルタントが個別にご相談の対応を致します。
省エネ・再エネのお悩み。脱炭素経営などについてお気軽にご相談ください。
その場で対応できない場合は名刺交換等のうえ別途お時間を頂戴して対応させて頂きます。

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目次

【1部】京都府の取り組み紹介

京都府 総合政策環境部 脱炭素社会推進課

【2部】中小企業における省エネ・脱炭素の捉え方

一般社団法人カーボンマネジメントイニシアティブ 理事 『関 一幸』氏

【3部】最新!来年度補助金の動向及び活用術

2023年8月31日に、来年度予算について各省庁から概算要求が公開されました。
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今回はES株式会社 補助金事業部マネージャー 前田憲一氏に登壇して頂き、来年度の補助金について
お話して頂きます。

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目次

【1部】中小企業における省エネ・脱炭素の捉え方

一般社団法人カーボンマネジメントイニシアティブ 理事 『関 一幸』氏

【2部】最新!来年度補助金の動向及び活用術

2023年8月31日に、来年度予算について各省庁から概算要求が公開されました。
その直後に開かれるこちらのセミナーでは最新情報の解説も毎年されています。
今回はES株式会社 補助金事業部マネージャー 前田憲一氏に登壇して頂き、来年度の補助金について
お話して頂きます。

【3部】おおさかスマートエネルギーセンターにおける中小事業者の脱炭素化促進の
取組みについて

大阪府 環境農林水産部 脱炭素・エネルギー政策課 スマートエネルギーグループ

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【1部】経済産業省における省エネ関連施策について

2023年8月31日に、来年度予算について各省庁から概算要求が公開されました。
その後に開かれるこちらのセミナーでは最新情報の解説も毎年されています。
今回は関東経済産業局 省エネルギー対策課 課長代理 門田かおり氏に登壇して頂き、日本の取組や政府政策についてお話して頂きます。

【2部】中堅・中小企業の脱炭素経営のポイント解説

一般社団法人カーボンマネジメントイニシアティブ 理事 『水谷 忠宣』氏

【3部】省エネ補助金活用の事例とポイント

一般社団法人カーボンマネジメントイニシアティブ 専門家 『佐野 由樹』氏

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目次

【1部】中堅・中小企業の脱炭素経営のポイント解説

一般社団法人カーボンマネジメントイニシアティブ 理事 『水谷 忠宣』氏

【2部】省エネ補助金活用の事例とポイント

一般社団法人カーボンマネジメントイニシアティブ 専門家 『佐野 由樹』氏

【3部】栃木県・群馬県・茨城県の脱炭素の取組について

栃木県 環境森林部 気候変動対策課 カーボンニュートラル推進室
群馬県 知事戦略部 グリーンイノベーション推進課 連携推進係
茨城県 民生環境部 環境政策課

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省エネ・再エネのお悩み。脱炭素経営などについてお気軽にご相談ください。
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【1部】省エネ支援事業のご紹介

2023年8月31日に、来年度予算について各省庁から概算要求が公開されました。
その直後に開かれるこちらのセミナーでは最新情報の解説も毎年されています。
今回は東北経済産業局エネルギー対策課 係長 金子雅紀氏に登壇して頂き、日本の取組や政府政策についてお話して頂きます。

【2部】気候変動対策の動向と経営力を強化するCO2削減対策の実行

一般社団法人カーボンマネジメントイニシアティブの代表理事佐々木譲氏がわかりやすく解説

【3部】福島県内事業者向け省エネ補助金

福島県 商工労働部 経営金融課 主査 大河原佑太氏が省エネ補助金について解説

【個別相談会】※事前申込必須

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省エネ・再エネのお悩み。脱炭素経営などについてお気軽にご相談ください。
その場で対応できない場合は名刺交換等のうえ別途お時間を頂戴して対応させて頂きます。

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目次

【1部】省エネ支援事業のご紹介

2023年8月31日に、来年度予算について各省庁から概算要求が公開されました。
その直後に開かれるこちらのセミナーでは最新情報の解説も毎年されています。
今回は東北経済産業局エネルギー対策課 係長 金子雅紀氏に登壇して頂き、日本の取組や政府政策についてお話して頂きます。

【2部】気候変動対策の動向と経営力を強化するCO2削減対策の実行

一般社団法人カーボンマネジメントイニシアティブの代表理事佐々木譲氏がわかりやすく解説

【3部】宮城県における省エネ補助金及び導入事例

宮城県環境生活部環境政策課 環境産業コーディネーター 関場隆氏が事例を交えて解説

【個別相談会】※事前申込必須

トップコンサルタントが質疑応答および個別に相談のご対応をいたします

各事業者様の個別固有のお悩みについて、コンサルタントが個別にご相談の対応を致します。
省エネ・再エネのお悩み。脱炭素経営などについてお気軽にご相談ください。
その場で対応できない場合は名刺交換等のうえ別途お時間を頂戴して対応させて頂きます。

夏が近づくにつれて気温や湿度がどんどん高くなると、エアコンの冷房運転を使用する機会が増えていきます。いざ、エアコンを付けてみると「冷風が出てこない」「風量が弱い」といった症状が起きたことはないでしょうか。症状の原因によっては、修理業者を手配しなくても自分で解決できる可能性があります。
この記事では、エアコンが効かなくなってしまった原因と対応方法についてご紹介させて頂きます。

エアコンが効かない原因と対応方法

①汚れが蓄積している

エアコンに汚れが溜まるとエアコンの効きが悪くなります。
そうすると設定温度に達するまでのエアコンの稼働時間が長くなり、その結果として消費電力量と電気代が増加します。
汚れでエアコンの風量が10%落ちると、電気代は約20%増加すると言われています。
またエアコンのトラブルの約70%は汚れによるものです。汚れを放置しておくと、エアコンに高負荷がかかり、異常停止や水漏れなどのトラブルの発生率が上昇します。また、フィルターに汚れが蓄積していると風量が弱くなってしまいます。
当然、空調業者による修理対応の度に費用がかかってしまいます。

【対応方法】

エアコンクリーニングをおすすめ致します。
エアコンクリーニングを行うことで、『電気代の削減』『故障のリスク軽減』『エアコンが長持ちする』など多くのメリットがあります。
エアコンクリーニングの詳細については、下記ページをご参照ください。
エアコンの事ならまるっとお任せください!プロが行う業務用エアコンクリーニング

②冷媒ガスが漏れている

エアコンで「冷房運転しても涼しくならない」「暖房運転しても暖かくならない」という時は、冷媒ガスの漏れの可能性が高いです。ガス漏れしている状態だと、いくら設定温度を変更しても温度調節がうまく効かなくなります。
ガス漏れの原因としてよくあるのが、「エアコン取り付け時の施工不備」「室外機の移動や転倒」
「経年劣化による部品の腐食」
になります。

【対応方法】

ガス漏れを直すためには、漏れ箇所を特定して塞ぎ新しい冷媒ガスを補充する必要があります。
また、経年劣化で部品が腐食している場合は部品交換作業も必要になります。
ガス漏れが疑われる際は、エコ・プラン(0120ー39-6366)にお問い合わせください。

【ポイント!】

全ての業務用エアコンの管理者は、3か月に1度「簡易点検」の実施が必要です。
また、圧縮機定格出力7.5kw以上のエアコンの場合、必ず第2種冷媒フロン類取扱技術者の資格を持つ有資格者による「定期点検」が必要になります。

詳しくはこちらのページもご参照ください。
業務用エアコンに点検義務があるってご存知ですか?


室外機置場の状況が悪い

室外機は、冷房時に室内の熱を外に逃がし、暖房時には外気からの熱を取り込む役割があります。
その為、室外機がうまく作動しなければ「冷えない」「暖まらない」という症状が出てしまうのです。
室外機の周りに物が多くあったり、汚れが溜まってしまうと冷却・排熱の機能を損ねてしまいます。

【対応方法】

室外機の周りに物が多くあり風の通りが悪くなっている場合は、なるべく物を減らして熱がこもらないようにするのが良いです。また落ち葉やごみが周りに溜まっている際は、取り除きましょう。

※外気温が43度を超えるとエアコン内の電子部品の発熱が規格値をオーバーする場合があり、多くのメーカーで能力が落ちるようです。猛暑時にエアコンが効きにくくなる原因のひとつとされています。
この対処方法については下記のページをご参照ください。
エアコンが耐えられるのは43度? 室外機を冷やす3つの方法

エアコンの能力が足りていない

エアコンの能力が足りていないと様々なデメリットがあります。
室内を冷やす、暖めることが十分にできず、設定温度に到達するのに時間がかかる
設定温度になるまで常に最大能力で運転を続ける為、電気代が大幅にかかる
コンプレッサーと呼ばれるエアコンの心臓部分に負荷がかかり、故障の原因になる

【対応方法】

この場合は、「新しいエアコンへの入れ替え」もしくは「エアコンの増設」をおすすめ致します。
エアコンの更新工事については、下記の導入事例ページをご参照ください。
【導入事例】 作業内容別 まとめ!

まとめ

上記の中に、原因が見当たらない場合はエアコン自体が故障している可能性があります。
「故障かな?」と思った際は、お気軽にお問い合わせください。

日本は2050年までに「カーボンニュートラル」を目指し、令和3年、温対法(地球温暖化対策の推進に関する法律)が改正され、地方自治体に対しても、施策目標が追加されることになりました。

地球温暖化対策推進法(温対法)改正!何が変わる?
温対法解説!【地球温暖化対策計画】と【地方公共団体実行計画】って?

各都道府県の温室効果ガスの削減は、成果が出ているのでしょうか。

今回は、各都道府県や、都道府県以上に成果を上げている市区町村について、公開されている二酸化炭素排出量のデータを元に様々な観点から比較し、紹介します。

目次

各都道府県の温室効果ガス排出量は公開されています!

環境省の「部門別CO₂排出量の現況推計」というページでは、各都道府県及び各自治体の発生起源別のCO₂排出量が公表されています。

環境省 「部門別CO₂排出量の現況推計」

参照:環境省 「部門別CO₂排出量の現況推計」

この記事では、この統計において最新年である2020年度に注目し、各地域のCO₂排出削減の取り組み状況を調査します。 

2020年度の都道府県別CO₂排出量ランキング!

2020年度の都道府県別CO₂排出量は、以下のようになっていました。

排出量の多い県 排出量の少ない県 
東京都60,991鳥取県3,581
愛知県60,637山梨県5,055
千葉県59,600佐賀県5,119
神奈川県55,050奈良県5,208
北海道45,773島根県5,395
(単位は1,000 t-CO₂)
都道府県別 CO₂排出量 人口比

※上記グラフは温室効果ガスをCO₂換算した各都道府県の排出量と、人口当たりの排出量をまとめたものです。
※この記事のグラフでCO₂排出量と記載があるものは、温室効果ガスのCO₂換算の排出量となります。

CO₂排出量の多い県は、人口の多い県(千葉県、東京都、神奈川県、大阪府)や工業が発展している県(愛知県、岡山県、広島県)に多いことがわかります。

また、CO₂排出量の少ない県は人口の少ない県(鳥取県、山梨県、佐賀県、島根県)に多いです。

都道府県別CO₂排出量削減率ランキング

次に、2015年から2020年にかけてのCO₂排出量の削減率が最も高かった県、低かった県をご紹介します。

削減率の高い県 削減率の低い県 
奈良県28.7%栃木県10.2%
鳥取県27.3%三重県10.7%
島根県27.2%愛知県11.6%
岡山県25.6%沖縄県12.3%
和歌山県25.5%愛媛県13.5%

下のグラフは、各都道府県の5年間の削減の推移を、地域ごとにまとめたものです。
(単位は1,000 t-CO₂)

都道府県別 CO₂削減推移(北海道、東北)
都道府県別 CO₂削減推移(関東)
都道府県別 CO₂削減推移(中部)
都道府県別 CO₂削減推移(近畿)
都道府県別 CO₂削減推移(中国・四国)
都道府県別 CO₂削減推移(九州・沖縄)

※上記グラフでは排出量が少ない都道府県の削減は見えにくくなっています。ご了承ください。
※上記グラフでは6年間のデータをまとめましたが、環境省では1990年からデータが公開されています。
※家庭部門、産業部門、運輸部門など、部門ごとの排出量も比較すれば、より詳細な分析が可能です。

CO₂排出量が最も少ない5県にランクインしていた奈良県、鳥取県、島根県は、削減率が最も高い3県であるため、人口が少ないから排出量が少ないわけではなく、CO₂削減の取り組みに力を入れていることがわかります。

特に奈良県は人口が決して少なくないものの、排出量、削減率ともに優秀です

一方、削減率が低い県でも、2015年と比較して10%以上は削減が進んでおり、全く対策が取られていないわけではないことがわかります。
ただ、削減率が20%以上の県が半分近くを占めていることを考えると、これらの県はまだまだ脱炭素の取り組みに力を入れる必要があると言えます。

ここで、削減率が最も高かった奈良県がいかに脱炭素を実現してきたのか、解説いたします。

奈良県の脱炭素に向けた取り組み

奈良県には5年ごとに策定されている「奈良県環境総合計画」というものがあり、環境問題全般についての取り組みと目標が記載されています

ここで挙げられている低炭素社会実現に向けた主な取り組みとして、以下のようなものがあります。

・バイオマスエネルギー等の再生可能エネルギーの導入促進
・家庭・事業所等の自立分散型エネルギーの導入促進
・小水力発電の導入支援
・熱エネルギーの利活用促進
・エコカーの導入
・公共交通の維持確保及び利用促進
・健全な森林の整備

また、奈良県には、脱炭素や省エネ化を進めている団体や組織が多く存在します。これらの各団体や組織がそれぞれ取り組みを進め、それらの積み重ねによってCO₂削減が実現されていることは間違いないでしょう。

一人当たり、単位面積あたり、部門別の都道府県別CO₂排出量

一人あたりの都道部県別CO₂排出量

一人あたり排出量の多い県 一人あたり排出量の少ない県 
大分県22.1奈良県3.93
岡山県18.4山梨県4.34
山口県18.4佐賀県4.52
広島県14.1奈良県4.65
和歌山県12.9島根県4.69
(単位はt-CO₂)
都道府県別 1人当たりのCO₂排出量(全国)

意外にも、東京都、大阪府などの都会は一人当たり排出量が少なく、中国地方の瀬戸内海側の県で一人当たり排出量が多い傾向にあることがわかります。

東京都、大阪府は人口がとても多い分、排出量ももちろん多いですが、公共交通機関が充実していること、人が密集して生活していること、昼間はオフィスビルに人が集中することなどから、エネルギーを効率的に使用できているという仮説が立てられます。

一方で、中国地方の一人当たり排出量が大きくなっているのは、瀬戸内工業地域の影響だと考えられます大規模な工場地帯があり、人口も少ないため、一人当たりCO₂排出量が大きいと考えられます。

また、排出量が少ない方から数えて4位であり、削減率は最も高い奈良県が、一人当たり排出量に関しても最も小さいことがわかります。

次に、民間部門の一人当たりCO₂排出量については、以下のようになりました。

都道府県別民間部門の人口比排出量 グラフ

民間部門の一人当たりCO₂排出量は北海道が最も大きいです。これは、北海道の気候や地域性に起因していると考えられます。冬場の厳しい寒さのために暖房が多用されることから、CO₂排出量が多くなっていると考えられます。また、広大な土地を人やモノが移動する際にCO₂排出が伴うことも理由の一つとして挙げられます。

また、全体的な傾向として、人口の多い地域は民間部門の一人当たりCO₂排出量が小さく、人口の少ない地域は一人当たりCO₂排出量が大きいです。

単位面積あたりの都道部県別CO₂排出量

単位面積あたりのCO₂排出量は、地域ごとに特徴がはっきりと分かれています。

北海道、東北地方面積の大きい都道府県の多いこの地域は、単位面積あたりのCO₂排出量が最も小さい地域です。北海道、秋田県、岩手県、山形県が単位面積あたりのCO₂排出量が最小の4県です。

関東地方面積は広くはないものの、人口が多く、CO₂排出量も多いこの地域は、単位面積あたりのCO₂排出量が最も大きい地域です。東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県はそれぞれ単位面積あたりの排出量が1番目、2番目、5番目、6番目の多さです。

中部地方:中京工業地帯のある愛知県(4番目)や三重県(16番目)を除けば、中部地方の県は単位面積あたりのCO₂排出量は小さいです。

近畿地方:人口の多い県である大阪府(3番目)や兵庫県(8番目)を始めとし、この地域の県は面積あたりのCO₂排出量が大きい傾向にあります。

中国地方中国地方の県は、山陰地方と山陽地方で大きく傾向が分かれます山陰地方の2県である島根県(43番目)と鳥取県(38番目)は、面積あたりのCO₂排出量が非常に小さいのに対して、山陽地方の3県である岡山県(10番目)、広島県(12番目)、山口県(13番目)の面積あたりのCO₂排出量は大きいです。

四国地方四国地方も、中国地方と同様に、瀬戸内海側の県である香川県(11番目)と愛媛県(18番目)の面積あたりのCO₂排出量が大きく、南側の県である徳島県(30番目)と高知県(42番目)の面積あたりのCO₂排出量は小さいです。

九州地方:福岡県(7番目)は面積あたりのCO₂排出量が大きいものの、その他の県は14番目~39番目に位置しており、高くも低くもないです。

部門別の都道部県別CO₂排出量

下記は都道府県別の部門別CO₂排出量のグラフです。
(単位は1000t-CO₂)

参考になるよう、人口当たりの民間部門のCO₂排出量を折れ線グラフで追加しました。

都道府県別 部門別CO₂排出量と人口あたりのCO₂排出量(北海道 東北)

北海道は、すべての部門について満遍なくCO₂排出量が高いです。その中でも運輸部門の排出が比較的他県に比べて多く、2番目に多い都道府県になっています

都道府県別 部門別CO₂排出量と人口あたりのCO₂排出量(関東)

排出量の多い都道府県が多い関東地方ですが、その構成は県によってかなり異なります。工業が発展している茨城県や千葉県は産業部門の排出が多く、オフィスビルが立ち並ぶ東京都や神奈川県は業務部門の排出が多いです。

都道府県別 部門別CO₂排出量と人口あたりのCO₂排出量(中部)

愛知県の産業部門の排出量の多さが目立ちます。愛知県は産業部門のCO₂排出量が、千葉県に次いで2番目に大きいです。

都道府県別 部門別CO₂排出量と人口あたりのCO₂排出量(近畿)

大阪府は東京都や神奈川県と同様に、業務部門や家庭部門のCO₂排出量が大きい都会型の排出となっています。一方で、兵庫県は愛知県や千葉県のような工業型の排出になっていることがわかります。

都道府県別 部門別CO₂排出量と人口あたりのCO₂排出量(中国 四国)

瀬戸内工業地域がある岡山県、広島県、山口県、愛媛県は、千葉県や愛知県と同じように、産業部門が大半を占めるような構成になっています。

都道府県別 部門別CO₂排出量と人口あたりのCO₂排出量(九州 沖縄)

福岡県は都会型の、大分県は工業型の排出の分布になっています。大分県は、総排出に占める産業部門の排出の割合が80%弱であり、全都道府県の中で最も大きいです。

CO₂排出量削減率の高い主な市区町村

 2015年2020年削減率
北海道室蘭市2,6021,24652.1%
茨城県鹿嶋市1,8501,13838.5%
千葉県君津市3,2803,11934.6%
福岡県苅田町3,9302,57134.6%
山口県宇部市3,2122,11334.2%

削減率の高い市区町村では、わずか5年間の間に、30%を超える削減が実現できています。

室蘭市に関しては、5年間で排出量を半分以上削減しています。

室蘭市の脱炭素に向けた取り組み

室蘭市が2015年から2020年にかけてCO₂排出量を半分以上削減できた理由として、2015年から始まった室蘭市グリーンエネルギータウン構想という施策が挙げられます。

この施策はその先進性が評価され、国土交通省の「第一回先進的まちづくりシティコンペ」において国土交通大臣賞を受賞しました。

施策における目標として、2020年までにグリーンエネルギー(水素エネルギー、再生可能エネルギー・未利用エネルギー)の導入量を2012年度と比較して倍増させることが掲げられていました。

具体的には以下のように多岐にわたる取り組みが行われました。

・移動式水素ステーション及び燃料電池自動車を道内で初めて導入
・家庭用燃料電池を市営温水プールに整備
・民間事業者による水素ステーション用部品の製品・開発
・販売用宅地における各戸の家庭用燃料電池の整備
・公共施設に風力・太陽光発電を導入
・国内最大級のバイオマス発電所の稼働
・下水処理場のバイオガスを活用した発電事業
・観光の要である白鳥大橋のイルミネーションのLED化
・家庭への燃料電池と太陽光発電やHEMS、LED等を併用した導入に対する支援

参照:国土交通大臣省 室蘭グリーンタウン構想

最後に

今回は都道府県別の温室効果ガス排出量について、人口比や面積比といった角度も含めて、ご紹介させていただきました。

都道府県だけでなく、市町村レベルでも、温室効果ガス排出量が公開されています。

環境省の【脱炭素先行地域】の取り組みが始まり、先進的に取り組む地域に資金や人材が投入され、今後、都道府県ごとの温室効果ガス排出量に変化が起きてくると考えられます。

成果が出た地域の施策が、全ての地域で導入できるとは限りませんが、貴重な参考情報となります。

どの地域で、どんな削減結果が出たのか、どうやって削減したのか、これからも客観的な視点で、他の地域と比較しながら追いかけていく価値がありそうです。

お住まいの地域や、職場の地域、お隣の地域などについても、ぜひご自身で確認してみてください。

業務用エアコン 1台の分解洗浄で、どれくらいの水を使用しているのでしょうか。
近年、温室効果ガスの排出量だけでなく、水や森林への影響も数値化し、評価に反映させていこうとする動きが広がっています。

弊社は2022年度、54,000台以上の業務用空調機の洗浄を実施しました。

業務用エアコン1台の分解洗浄で、どれくらい”水”を使うのか、推定してみました。

目次

どうやって推定したの? 

業務用エアコン1台の分解洗浄で使う水を、どうすれば出せるのか、検討することから始めました。

業務用エアコンの洗浄作業の時に、毎現場の水使用量を計測しているわけではないので、実際の水の使用量はわかりません。

ただ、様々な施設、業態の沢山の業務用エアコンを洗浄している社員に話を聞くと、大まかな水の量を把握していました。

業務用エアコン洗浄 バケツ何杯

そこで、60名近くいる弊社の業務用エアコン洗浄社員の中でも、経験年数や洗浄台数が多い方に、施設、業態別の業務用エアコン1台の洗浄に使う水の量をヒアリング調査しました!

業務用エアコン洗浄社員実績

ヒアリング調査結果と、2022年度の室内機洗浄台数、現場数(お客様先で洗浄した回数)を活用し、業務用エアコン1台あたりの水の使用量を推定してみました。

業務用エアコン1台の分解洗浄で使う水の量!(施設・業態別)

施設 業態別 業務用エアコン洗浄1台の水の量

施設や業態の区別なく、全体を平均すると、業務用エアコンの1台当たりの洗浄に使用する水の量は、約45L と推定されました。

各施設、業態の特徴

◆パチンコ店やカフェについては、禁煙になったケースが多い為、禁煙の前提での数値です。喫煙の場合は、洗浄水の量は増えます。

◆印刷工場は、インクや塗料の汚れが落ちにくく、水量が増えます。

◆美容院は、整髪剤の汚れがひどい場合、水量が増えます。

◆スーパーは、入口やレジ近くは汚れがひどく、店内の場所により水量が変わります。

◆食品工場は、粉ものや油が近い場合、水量が増えます。

最後に

今回推定した、業務用エアコン1台当たりの分解洗浄に使用する水の量を45Lとした場合、弊社が2022年度に洗浄した業務用エアコンの台数(約54,000台)から、年間で243万リットルの水を、業務用エアコンの分解洗浄で使用していることになります。

25mプールの水の量を2万5千リットルとした場合、25mプール97.2杯分の水の量になります。

業務用エアコンを分解洗浄した廃水は、お客様の排水設備を経由し、処理されるため、これまで廃水の量を把握する発想はありませんでした。

改めて数値を出してみて、この事業に、それだけの水を使っていることを認識することができました。

また、今回、温室効果ガスの排出量だけでなく、水や森林への影響も数値化する動きがある中で、弊社の主要なサービスの一つである業務用分解洗浄の【水】の使用量に焦点を当て、その使用量を推定してみました。

実際に計測していなくても、大まかな量を推定することができました。

この記事が、TNFDやCDPの回答といった情報開示で、水の使用について、数値化することが要求されている、もしくは要求される可能性がある企業様の、状況把握の参考になれば幸いです。

入れ替えた後の撤去された業務用エアコンは、廃棄後、どのように処理されているのでしょうか。
弊社が撤去した業務用エアコンをはじめ、修理やその他の事業で発生する産業廃棄物の行方の一部を追ってみました。

目次

業務用エアコン 廃棄物の流れ 

産業廃棄物処理の流れ

業務用エアコンは更新工事(入替工事)で、機器内に含まれているフロンを回収してから、撤去され、産業廃棄物となります。
※回収したフロンは、フロン排出抑制法に則って再生破壊業者に処理を依頼しています。

産業廃棄物は、都道府県の認可を受けた産業廃棄物収集運搬業者に回収を依頼します。

産業廃棄物収集運搬業者のコンテナに積み込まれた業務用エアコンなどの産業廃棄物は、中間処理業者に運ばれます。

中間処理業者では、分別、圧縮、破砕、粉砕などをして、リサイクルできるものと、できないものに分けられます。

原料としてリサイクルできるものは、有価で引き取り業者に買い取ってもらい、別の製品に生まれ変わります。

リサイクルできないものは、燃やされて、熱を発電や廃熱で利用されるか、埋め立てられます。

業務用エアコン 撤去時の 収集運搬の一例 

収集運搬トラックの分別

業務用エアコンは、フロン回収後、撤去し、産業廃棄物収集運搬業者のコンテナに積み込みます。

産業廃棄物収集運搬業者の担当の方が、中身、何ですか?と確認し、「主に、金属です」「主に、紙屑です」と回答し、詰め込む位置を指示されるので、そこに積み込んでいきます。

積み込んだ後、産業廃棄物収集運搬業者の事務所で、トラック全体の重さを計測します。

産廃収集トラック 重さ計測風景
産廃収集トラック 重さ計測 数値拡大

中間処理業者の分類ごとの処理する場所で、積み荷を下ろす際に、重さを計測し、それぞれの廃棄物の種類ごとの重さを把握します。

主な分類項目は、【廃プラスチック類】【木くず】【金属くず】【ガラス、コンクリ、陶磁器くず】【段ボール】【廃油】【古紙その他】【がれき類】です。

※全ての産業廃棄物収集運搬業者及び中間処理業者が上記のようにしているわけではございません。あくまでも一例です。予めご了承ください。
※上記は弊社が提携している産業廃棄物収集運搬業者の一部の事例です。

m³と重さの換算式を使うと、重く計算される傾向があるらしい

産業廃棄物収集運搬業者の多くは、重さではなく、m³で把握しているようです。

重さに換算するためには、環境省で公開している【産業廃棄物の体積から重量への換算係数(参考値)
を使用します。

環境省廃棄物m³換算係数

ただ、この換算係数は、あくまでマクロ的な重量を把握するための参考値という位置付けということです。

弊社の産業廃棄物収集運搬業者の担当の方に伺ったところ、この換算係数を使用すると、全ての品目で重く換算されてしまうということでした。

今回、同行いただいた産業廃棄物収集運搬業者では、【m³ではなく、重さ】で産業廃棄物の【排出量を把握】できるので、企業の温室効果ガス排出量の算定をする上では、有難い仕組みでした。

中間処理で圧縮、粉砕、分別、リサイクル!

今回、エコ・プランが提携している産業廃棄物収集運搬業者の担当の方に同行いただき、中間処理業者と最終処分場の見学をさせていただきました。

※弊社の産業廃棄物全てが今回ご紹介する中間処理業者や最終処分場で処理されているわけではございません。あくまでも一例なので、予めご了承ください。

中間処理の様子をご紹介します。

まず、廃棄された業務用エアコンなどを積んだトラックが、下の写真の左側の部分に、金属を含むもの(業務用エアコン)以外を、種類ごとに下ろします。(重さも計測します)

その後、右側に金属を含むもの(業務用エアコン)を下ろします。それらは、別の工場(千葉工場)に運ばれ、大きな破砕機で粉々にされて、金属や、素材ごとに機械で自動的に分別されます。

◆千葉工場の金属処理工程についてはこちらをご覧ください

https://www.tokometal.co.jp/recycle/flow/chiba.html

分別された種類ごとの金属は、メーカーやリサイクル業者に有価で買い取られます。

左に廃プラ等、右に金属(エアコン)

下の写真は金属をプレスする様子で、剝離工程が終了したベッドマットのスプリングやアルミくずが、このプレス機で圧縮されます。体積を小さくした状態で、メーカーやリサイクル業者に買い取られます。

金属を圧縮する様子

※金属くずを圧縮する様子 

金属以外のものは、廃プラスチック、木くず、紙くず、繊維くず、金属くず、ガラスくず、コンクリートくず、陶器くずに分けられます。

細かな廃プラスチックや木くず等は下の写真のように、ラップされて、サーマルリサイクル(焼却し、熱を回収)用として買い取られていきます。

金属以外は粉砕
梱包
圧縮後

金属くずは、種類ごとに分けられます。
写真は銅くず。

鉄
銅

キレイです。

キレイな銅

木くず。

木くず

畳は固形燃料(廃プラ扱い)

あらゆるものを、国内で、何だかの形でリサイクルできるよう、分別するこの施設で、国内のリサイクルができないものがありました。

それは、ランケーブル等です。これらは細すぎて分別が難しく、国内では買い手がいないということで、海外に輸出されるようです。

国内でリサイクルできないもの ランケーブル等

※下記の太い電線は、有価で買い取られ、分別され、リサイクルされるようです。

太い電線は国内リサイクル

最終処分場ってどんなところ? 

最終処分場は、廃棄物の種類により、複数ありますが、その中の1社は、東京都江東区にありました。(今回ご紹介する最終処分場は、弊社の作業現場からの廃棄物処理の0.1%未満)

外観はこんな感じです。キレイで、匂いなどもありません。

上から見ると、こんな感じです。処理費必要な設備が集約され、格納されています。

全体の模型です。

廃プラスチックをはじめ、リサイクルできない紙くず、木くず、繊維くず、金属くず、動植物性残渣やゴムくず、燃え殻、汚泥(脱水後)、廃酸(容器入り)、廃アルカリ(容器入り)、ガラス、陶磁器くず、コンクリート、鉱さい、ばいじんが、この施設で処理されます。

1、まず、ガス化炉で鉄と、不燃物(ガラス、陶磁器くず)が、回収されます。

2、次に、旋回溶融炉で、灰がスラグになります。スラグは路面材等の原料として売却されます。

3、上記の過程で発生する熱で、発電(施設内の電力で消費&余剰分を施設外に売却)と排熱の利用が行われています。

最終処分場処理工程

※出典:J&T環境株式会社

下の写真は、スラグから作られた路面材です。

スラグの路盤材

下の写真は、最終的にフィルタなどに付着した微細な処理灰で、これは、埋め立てられます。(処理量の2.5%だそうです)

焼却灰

最後に 

今回見学させていただいた中間処理業者様は、オープンで、写真撮影やあらゆるデータがホームページに公開されていることを教えてくれました。

できる限り、廃棄物からリサイクルできる材料を取り出し、循環させようと、新しい分別、粉砕の機械を導入するなど、取り組みを進めていました。

それでも、人員不足などで、分別しきれないものは、サーマルリサイクル(焼却し熱回収)になってしまうということでした。

排出する側が、どれだけ配慮して、分別できるか、が、リサイクル率を効率的に上げるために不可欠だということがわかりました。

近年、サプライチェーンの取り組みが注目されています。

サプライチェーンの企業の状況を知ることで、サプライチェーンの温室効果ガス排出量を減らすためには、実は、自社の配慮が一番効果的であることが見えてきました。

社内で出来ることを検討し、取り組んで参ります。