エコトピック

2021.11.15

第6次エネルギー基本計画が閣議決定!【パブリックコメント】から分かる変化!

COP26の開催に向けて、2021年10月22日に第6次エネルギー基本計画が正式に閣議決定されました。

同日には、「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」、「地球温暖化対策計画」、「気候変動適応計画」の変更についても閣議決定されました。

今回は寄せられたパブリックコメントに着目し、第6次エネルギー基本計画について考察します。


 

パブリックコメントとは?

パブリック・コメント制度(意見公募手続)とは、国の行政機関が「政令や省令等を決めようとする際に、あらかじめその案を公表し、広く国民の皆様から意見、情報を募集する手続」です。

「行政運営の公正さの確保と透明性の向上を図り、国民の権利利益の保護に役立てる」ことを目的として、平成17年6月の行政手続法改正により法制化されました。

参考: パブリック・コメント制度について


一般的にはパブコメと呼称され、上記の流れで実施されています。
現在募集中の案件についてはこちらから閲覧でき、投稿することが出来ます。

 

パブコメの件数比較!多かったのは?

これまでのエネルギー基本計画に寄せられたパブリックコメントの件数は、以下のように変化しています。(参照:e-Govパブリック・コメント)

当初計画(2003年) 0件
第2次(2007年) 345件
第3次(2010年) 323件
第4次(2014年) 18,663件
第5次(2018年) 1,710件
第6次(2021年) 6,392件

今回寄せられた6392件は、前回(第5次)に比べて3.7倍の数であり、エネルギー政策の関心の高まりが伺えます。

しかし、何より印象的なのは2014年に策定された第4次エネルギー基本計画の18,663件ではないでしょうか。今回(第6次)の2.9倍にものぼる件数です。

第4次エネルギー基本計画(2014)は、東日本大震災すなわち福島第一原発事故後初めてのエネルギー基本計画改定でした。この件数は、原発を中心としたエネルギー政策に対する国民の関心の高まりが反映された結果だといえます。

意見の内容はやはり、「原発を即時ゼロにすべき/再稼働すべきでない/脱原発を目指すべき」といったものや「引き続き活用/再稼働すべき」といったもの、「福島の再生・復興」などの震災関連が多く見られます。

ちなみに、第6次エネ基と同日に閣議決定された法案のパブコメ件数は以下の通りです。

◆「地球温暖化対策計画」615件
◆「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」264件
◆ NDC案 95件


これを踏まえると、第6次エネルギー基本計画に寄せられた6,392件はかなりの件数であるといえます。

しかし、「気候変動」「カーボンニュートラル」等のがこれだけ流布する時世でも、3.11後に比べれば、自らの意見を発信し政策に反映させようと動く国民は少ないということが分かります。

 

経産省 パブコメへの回答に変化!

ここからは、パブコメに対する政府の回答の変化を見ていきます。

エネルギー基本計画のパブリックコメントは、受付終了後に経済産業省が意見の概要とそれに対する考え方を公表しています。(参考:第6次エネルギー基本計画策定に向けたパブリックコメントの結果について)

「パブリックコメント結果」として公表される文書のページ数は増加傾向にあり、経済産業省による回答も年々細かくなってきています。

特に、パブコメ件数が最大であった第4次と今回(第6次)を比較すると、回答分量の増加が顕著に見てとれます。

第4次では18,663件の意見に95ページの結果文書であったのに対し、第6次では6,392件の意見に166ページの結果文書が公表されています。

1問1答ではなく膨大な数のパブコメに比例的に対応できるとは考えにくいため、単純には比較出来ませんが、1ページ当たり196.5件 → 38.5件という変化は相当なものだと言えるでしょう。

実際、前回までの文書と比較しても細かい回答が多いと感じました。今回ALPS処理水に対する意見が多く寄せられていますが、回答の方が多い項目も散見されました(p.10~p.24まで15ページにわたっています。ご関心のある方は是非本体をご覧ください)

国民のコメント自体も「原発反対!」といった感情論ばかりでなく、理由を明確にして述べられたものが多いと感じられたため、その思いに答えるべく厚い回答がなされた面もあるのではないでしょうか。


(出所:第6次エネルギー基本計画策定に向けたパブリックコメントの結果について p.12,13)

 

まとめ

今回は第6次エネルギー基本計画の閣議決定に伴い、パブリックコメントの変化についてまとめました。

エネルギー政策への関心は年々高まりつつあり、他の法令等に比べてもエネルギー基本計画への関心は高いものの、東日本大震災後ほどは自ら意見を発信しようとする人が多くないことが明らかになりました。

同時に、政府も国民の意見にこたえるべための情報開示を手厚くしてきていることも分かりました。

したがって、私たちが積極的に意見を発信することで、政府の対応が少しでも変わり未来が変わるという可能性が、高まってきているといえます。

また「エネルギー基本計画」に書かれたからといって、それが実際に反映されるか/できるかは分かりません。これからの未来に一石を投じるために、自分の頭でしっかりと考え、積極的に意見を発信していかなければならないと改めて痛感しました。



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