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2022.09.30

業務用エアコン定期点検【対象外】でもフロンの定期点検をするメリット!


業務用エアコンを使わなくても過ごしやすくなる季節は、業務用エアコンの点検シーズンです。

フロン排出抑制法では、全ての業務用エアコンを所有する管理者に、3か月に1度の【簡易点検】が義務付けられています。

また、全ての所有する業務用エアコンで、フロンの漏洩量が1000t-CO₂を超えた場合、国に報告が必要となります。

ここで、注意が必要なのは、【簡易点検】だけでは、フロン漏洩の有無は分からない、ということです。

「え、どういうこと?」と思われる方もいるのではないでしょうか。

今回は、簡易点検の注意点や、法律対象外でもフロンの定期点検を実施するメリットについて解説致します。

■圧縮機の定格出力の確認方法については、こちらをご確認ください。
業務用エアコンに点検義務があるってご存知ですか?


 

全ての業務用エアコンに義務付けられている簡易点検では、フロン漏洩の有無は分からない 

フロン排出抑制法で、全ての業務用エアコンに3か月に1回義務付けられている【簡易点検】で実施する主な点検項目は、

①室外機の異常な振動や異常な運転音がないか
②室外機及び周辺に「油のにじみ」がないか
③室外機の傷や、熱交換器の腐食、錆、傷はないか
④室内機の熱交換器に霜がついていないか



といったチェック項目のみとなっています。フロン排出抑制法では、簡易点検を実施する者は、専門業者だけではなく、一般の方でも実施することができるとしています。


※出典:環境省、経済産業省業務用冷凍空調機器ユーザーによる簡易点検の手引き 改正フロン法対応(フロン類の漏えい点検)

一般の方が簡易点検を実施し、室外機に「油のにじみ」や、室外機に「傷」などがあり、フロンの漏洩の可能性があっても、判断がつかない場合は、業務用エアコンの使用に支障が出るまで、そのまま見過ごされる形になります。

業者による簡易点検を実施したとしても、業者から「油のにじみ」や室外機の「傷」があり、フロン漏洩の可能性を点検表で報告された後、管理者がフロン定期点検や修理をせず、そのままにしていれば、同じく、業務用エアコンの使用に支障が出るまで、そのままフロンは漏洩し続けることになります。

※点検業者からの報告があったにも関わらず修理をしない場合は罰則があります。


簡易点検は、フロンの漏洩の可能性を見つけることができますが、確実に漏洩している、ということは判断できません。

簡易点検の結果、フロン漏洩の可能性が発覚し、管理者が業者に「フロン定期点検」や「修理」を依頼して初めて、漏洩している、事実が確定します。

ただ、フロン定期点検や修理を実施した場合でも、「フロンの漏洩量」を正確には出すことは、できない場合が多いです。理由は2つあります。

点検業者は、追加充填の履歴が分からない

1つ目は、そもそも最初に充填されていた冷媒(フロン)の量が、点検業者には分からないことです。

業務用エアコンの室外機には、最初に封入されていた冷媒の量が記載されていますが、設置する際の配管の長さに応じて、冷媒が追加されることがあります。配管は通常、壁の裏や天井に埋まっている場合が多く、外見で配管の長さは分からない為、追加充填の有無は、点検業者には基本的にはわかりません。

※追加充填した際、業者によっては室外機に記載してある場合がありますが、全ての業者がそうしているわけではありません。

業務用エアコンの寿命は15年程度と言われています。その間に、簡易点検であれば、年4回、15年で60回実施されます。その間、冷媒不足があれば、修理後、追加充填作業が行われ、使われ続けます。

点検業者が、その15年間全て管理することもありますが、たいていの場合は、どこかの期間だけとなります。いつどのくらい追加充填したのかは、業務用エアコンを管理する管理者しか分からない情報です。

点検業者から、管理者に、これまでの管理記録を確認し、累計の漏洩量を報告する、ということにはなっていないので、もし、管理者が漏洩量を確認したい場合で、これまでの点検表を見ても、わからない場合は、管理者から、点検業者に履歴情報を提供し、漏洩量を教えてもらう必要があります。


エアコンが問題なく運転する冷媒の量には幅がある

2つ目は、エアコンが問題なく運転する冷媒の量には幅があることです。

新品の業務用エアコンには、予め初期充填量として、規定の冷媒が封入されています。そして、配管の長さが、〇〇mまでは、封入された冷媒の量で問題なく運転できる仕様になっています。


上の写真の業務用エアコンの場合は、冷媒の初期充填量(予め封入されている冷媒の量)が2.25㎏と記載があり、配管の長さが30mまでは、対応できる、という表示になっています。

つまり、配管が2mでも、29mでも問題ない、ということです。このように業務用エアコンは、通常の運転に支障がでない冷媒の量に、幅があります。

これは、多少冷媒が漏洩していても、気づけない、ということになります。

フロン定期点検を実施し、漏洩が発覚した場合は、漏洩箇所を特定してから、全ての冷媒を一度回収し、修理して、冷媒を再充填し、エアコンの効きを確認しながら追加充填していきます。

(点検時、漏洩箇所が特定できない場合は、冷媒を回収してから、窒素ガスを封入し、気密検査を実施して漏洩箇所を特定します。)

■こちらもご参照ください。
【エアコン工事解説!】ポンプダウン、気密検査、真空乾燥

エアコンの効きが改善したら、追加充填を終了します。その時、追加した冷媒の量を確認して初めて、どの程度漏洩していたのか、が、わかります。

ただ、もっと充填しようと思えば、充填できてしまいます。つまり、漏洩量は充填量より多い可能性があるのです。

 
7.5kw未満でも、1000t-CO₂のフロン漏洩量を超える可能性はある?

フロン排出抑制法では、業務用エアコンの圧縮機の定格出力が7.5kw未満の場合、フロン法定点検を実施することは義務付けられていません。義務付けられているのは簡易点検のみです。

一方、フロンの漏洩量が1000t-CO₂を超えた場合は、国に報告が必要なのは、圧縮機の定格出力が7.5kw未満でも以上でも同じです。

では、圧縮機の定格出力が7.5kw未満の業務用エアコンの管理者は、どのように漏洩量を把握すればよいのでしょうか。

把握できる機会は、故障するまで何もせず、故障し、修理依頼した結果、フロン漏洩が発覚した場合に、漏洩量を把握することができます。

ただ、冷媒(フロン)不足でエアコンの運転に不具合が生じ始めるのは、冷媒が5割程度漏洩してからです。つまり、半分程度漏洩してからでないと気づけない、ということになります。

例えば、フロン定期点検の義務がない圧縮機の定格出力が7kwの業務用エアコン 1台の冷媒初期充填量は、だいたい7㎏なので、その半分が漏洩した場合のt-CO₂換算は、3.5㎏×2090(R410 Aの地球温暖化係数)=7,315㎏-CO₂(7.315t-CO₂)となります。

つまり、圧縮機の定格出力が7kwの業務用エアコンを137台所有し、同じ時期に、それぞれの業務用エアコンから半分程度漏洩していたら、国に報告が必要な1000t-CO₂の漏洩になります。


大きな工場や店舗がなくても、小規模の店舗を全国展開している場合、対象になる可能性があります。

ただ、同じ時期に137台が同じ冷媒不足で故障する可能性は、低いです。

こんなに沢山の業務用エアコンを所有していない管理者様も多いでしょう。「うちは気にしなくても大丈夫」と思ってしまいたくなる気持ちもわかります。

しかし、国に報告の必要がないからといって、フロン漏洩を放置してよい理由にはなりません。しっかり簡易点検を実施し、フロン漏洩の疑いがある場合は、フロン定期点検や修理を依頼するようにしましょう。

 
定期点検対象外でも、フロン点検しよう!

フロン漏洩防止に貢献!

フロン定期点検をすれば、フロン漏洩の有無を確認することができます。

フロン定期点検は、フロン排出抑制法の対象となる機器以外は、やってはいけない、という決まりはありません。むしろ、全ての業務用エアコンで、設置5年後、10年後といったある一定の期間で、フロン定期点検を実施することが、フロン漏洩を抑制するうえで、効果的な対策と言えます。

業務用エアコンの故障を早期発見!

有資格者によるフロン定期点検は、業務用エアコンの故障を未然に防ぐことにも役立ちます。ここでいう故障には、2つのパターンがあります。

1つは、冷媒不足による直接的な故障です。効きが悪くなる、といった症状がでます。

2つ目は、冷媒不足の状態で運転し続けることで間接的に生じる、圧縮機やその他の部品の故障です。

夏や冬に業務用エアコン稼働時に、こうした故障が発生することは、リスクでしかありません。フロン法定点検は未然に故障を防ぐことにつながります。

気候変動の取り組みとしてアピール!

法律やリスク管理以外の部分で、フロン定期点検を実施し、漏洩量を把握し、漏洩防止に取り組めば、気候変動や脱炭素経営の取り組みとして、対外的にアピールすることができる、という見方も可能になります。

フロンは二酸化炭素の数十倍から数万倍もの温室効果があるので、フロン漏洩防止の取り組みは、二酸化炭素の削減対策をして得られる削減効果より、効果的である可能性もあります。

業務用エアコンのフロンの管理を、国や法律の縛りでやらされてやる、というリスク的な概念から、気候変動の取り組みとしてアピールできるチャンスに変え、日本全体のフロン漏洩防止と、温室効果ガス排出削減につなげていきましょう。

 
最後に

「簡易点検してなかったけど、自分ではできない」、「そもそも圧縮機の定格出力が7.5kw以上かどうかわからない」、また、「簡易点検はしていたけれど、フロン定期点検も依頼したい」、「フロン定期点検をしていたけれど、漏洩量は把握できていない」という管理者の方がいましたら、是非ご相談ください。


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