2022年7月26日、弊社はCDPの質問書の自主回答に挑戦し、回答を提出しました。
2022年11月2日、回答した質問書の内容がCDPのウェブサイト上で全世界に公開されました。
そして、
2022年12月13日、CDPの質問書の回答に対するスコアリング結果が公表されました!
今回は、弊社のスコアリング結果と、CDPのスコアリングについて、また、中小企業がCDP質問書に取り組む意味を改めてご紹介します。
目次
エコ・プランのスコアリング結果は?!
A~Fまでのランクの中で、弊社の初回【自主回答】のスコアリング結果は【 C 】でした!

「なるほど、こんな取り組みをして、こういう回答を提出すれば、Cになるのか・・・」といった感じでした。
スコアリングの基準は公開されており、弊社も確認しながら回答を作成し、提出したので、ある程度の予想はできていました。
そもそもスコアリングって何?
スコアリング基準は公表されております。業種を選択して【次へ】をクリックすれば、詳細なスコアリング基準が閲覧できます。


この基準を満たしていなければ、スコアは下がります。
スコアが上がるからと言って、実施していないことは記載できないので、承知のうえで、回答を提出しています。
今回の評価を分析し、今後の取り組みの参考にしていければと考えています。
評価が高いとどうなるの?

CDPの評価で、Aリスト企業になると、気候変動に先進的に取り組む企業としてのイメージが形成され、株価や資金調達の面でプラスになります。
また、CDPのウェブサイトでAリスト企業として紹介され、セミナーや出版物でも取り上げられる他、新聞やニュースなどにも掲載され、宣伝広告効果が得られます。
銀行や仕入先などの取引先や顧客からの評価も上がり、社内の社員のモチベーションの向上や、採用にもメリットが見込めます。
Aリスト企業は?
最も評価の高いAリストにランクインした企業は、283社あり、CDPの公式ウェブサイトで社名が公開されていました。

日本企業もランクインしているので、是非ご確認ください。
中小企業のエコ・プランが質問書に回答する目的は?
弊社は来年もCDP 自主回答に挑戦する予定です。
その目的は、
世界の変化が著しい脱炭素経営に求められている事への理解を深め、その上で温室効果ガスを削減する取り組みを行い、その内容を社内外の方にわかりやすく伝えること
です。
スコアを良くすることが目的ではありません。
ただ、重要とされるポイントがスコアに反映されていることも事実なので、やるからには、Cよりも上を目指して、準備していければと考えています。きっとそこに新しい気づきや変化があるはずです。
中小企業が質問書に回答するメリットは?
弊社が実感しているメリットは下記のとおりです。
① 取引先銀行や仕入先、顧客などから評価される
② 経営層に対して理解が得られやすく、社内の意識やモチベーションが上がる
③ 優秀な人材の採用につながる
④ 情報収集のツールとなる
① 取引先銀行や仕入先、顧客などから評価される
見られ方が変わりました。
② 経営層に対して理解が得られやすく、社内の意識やモチベーションが上がる
経営層の理解が得られると、会社全体で脱炭素経営に取り組む雰囲気がより強まりました。
関連する取り組みも進めやすくなり、これまで関心がなかった社員や、表面には出していなかった社員から、質問や情報発信がされるようになりました。
③ 優秀な人材の採用につながる
採用活動で応募理由を聞くと、「環境に関心がある」「環境に貢献する仕事をしたい」という方が増え、優秀な方がエコ・プランに関心を持ってくれるようになりました。
④ 情報収集のツールとなる
気候変動や生物多様性など、世界では、持続的に経営するための資源が危機的状況にあり、早急な対策が迫られている優先課題がいくつもあります。
それらの対策を、個々の企業が独自に取り組もうとしても、膨大な情報量と専門知識が必要となり、時間も要し、解決の糸口を見出すことは難しいと考えられます。
これらの優先課題について、世界中の有識者や先進的な取り組みをする組織の知見、ノウハウを集約する形で、CDP質問状は、毎年更新されながら作られています。
世界の様々な分野で著しく状況が変化する中、それらを網羅し、段階的に、取り組みやすい形で、CDPは質問書に組み込み、企業の対策を促しています。
企業としても、世界の変化に気づくことができ、取り組む課題が明確になり、行動しやすい指標となっています。
このツールを利用しない手はありません。
サプライチェーンで対策が求められる中、「質問書は届いていないから、まだ大丈夫」、という発想ではなく、積極的に自主回答に参加することで、世界の変化をいち早く取り入れ、リスクをチャンスに変え、取り組みを加速させる、そんなきっかけにつながるのが、CDPの質問書回答です。
これらが、中小企業でもCDPの質問書の回答に挑戦するメリットだと考えています。
最後に

CDPの質問書回答は、企業戦略の部分も含んだ情報を開示しています。
ライバル企業に知られたくない情報などは記載する必要はないとされています。
また回答内容を非公開にすることもできます。(スコアリング評価は低くなります)
そのため、CDPの質問所回答内容で企業の取組の全てを知ることはできません。
ただ、CDP質問書の回答は、非常に効果的に脱炭素経営の行動につながる、影響力の強いツールです。
大企業では、CDPの質問書回答は必須の取り組みになりつつありますが、全国の中小企業の方々も、【自主回答】という形で、是非一緒に、取り組んでいきましょう。
※弊社のCDP質問書の回答内容や、他社の回答内容の確認方法については、下記記事をご覧ください。