エコトピック

2019.03.29

SBTの基準改定!?2019年10月から新基準スタート!

SBTとは
産業革命時期比の 気温上昇を「2℃未満」にするために、企業が気候科学 (IPCC)に基づく削減シナリオと整合した削減目標を設定する取り組みで、2050年までに温暖化効果ガスを49%~72%削減することを目標としています。(※既存の基準)

 

2019年3月12日に環境省【脱炭素経営促進ネットワーク】第3回勉強会が霞が関で開催されました。2018年12月にこのネットワークに参加した時点では目標設定会員32社、支援会員25社だったのが、2019年3月18日時点で目標設定会員が9社増え41社に、支援会員が4社増え29社になっていました。

勉強会当日、冒頭でみずほ情報総研株式会社の方から気候科学(IPCC)の1.5度特別報告書の内容を踏まえ、2019年4月にSBTの基準が見直されることが発表されました。

SBTの基準って、どう変わったの?

◆【現行の基準】:気温上昇を2度未満に抑える
※2019年9月までに目標を提出すれば現行の基準で認定を獲得できる可能性があるが、再審査になった場合は新基準に対応する必要がある。
※現行の基準で認定されても、認定後に新基準を踏まえた目標の見直しを要請されることを想定する必要がある。
◆【新基準1】:気温上昇を2度を十分に下回る基準(well-below 2度)  
◆【新基準2】:気温上昇を1.5度に抑える基準
※2019年10月以降にSBT目標を提出する場合、新基準に合わせた目標を提出する
※2019年4月以降、すでに認定されている企業に対し、新基準に照らして過去に認定された目標が【2度を十分に下回る目標水準(well-below 2度)】か【1.5度目標水準】か通知され、10月からSBTのWEBサイト上で公開される予定
※認定された企業は5年ごとに最新の気候科学の知見に沿って目標をレビューし、必要に応じて再審査を受けることが求められ、2025年から必須要件になる予定

出典:SBT

https://www.ecology-plan.co.jp/wp/wp-content/uploads/2019/03/SBT新基準グラフ.png

2度と1.5度でどう違うの?

IPCCの報告では、温室効果ガスを2度に抑えるか、1.5度に抑えるかで下記の違いがあると報告されています。

「2度に抑える」から「1.5度に抑える」になると、

・海面上昇で影響を受ける人が1千万人減る
サンゴ礁99%消失から消失を70~90%に抑えられる
厳しい水不足にさらされる世界人口が50%減る
極端な熱波や豪雨などの現象が減る

出典:
IPCC特別報告書『1.5℃の地球温暖化』の政策決定者向け要約を 締約国が承認 1.5度の地球温暖化 政策決定者向け要項の概要

脱炭素経営促進ネットワーク勉強会って何をしたの?

脱炭素経営促進根とワーク勉強会では、上記SBT基準改定報告の他、【具体的な削減取り組み(省エネ・再エネ)】について、目標会員(SBT認定済み若しくは目指している)2社から取り組み事例発表と支援企業3社からソリューションの発表がありました。

その後、6名程度のグループでグループディスカッションが行われ、省エネ、再エネについて【近年実施したもの】と【今後実施を検討しているもの】の情報交換が行われました。

共有された事

・輸送を、飛行機から船に変えることで温室効果ガス排出が10分の1になった
・地方のグループ会社で、風力発電を導入し、自家消費に回すことで温室効果ガスを削減した
・工場長の、評価基準に温室効果ガス削減目標を加えている
納品頻度を調整し、輸送を減らしている
社員自ら温室効果ガス排出の数値を出し、関心を高めている
・地元の電力で地産地消を目指している
夜間の電力で氷を作り、日中の冷房に使用している
社内の表彰制度を設け、モチベーションを高めている
カーボンプライシング※の導入を検討している 等々

※カーボンプライシングとは 二酸化炭素(CO2)に価格を付け、企業や家庭が排出量に応じて見える化することで、CO2の排出削減を促す施策の総称。 主に、化石燃料の使用に伴うCO2排出量に応じて課税する「炭素税」と、CO2の排出超過分や不足分を国同士や企業間で取引する「排出量取引制度」がある。

最後に

今回の勉強会では、SBTの基準改定や各企業からの取り組み報告、意見交換など様々な情報交換が行われました。また課題についても共有し、アイディアを出し合いました。勉強会の後は交流会も開催され、勉強会では直接話ができなかった方々とも話しをする機会があり、各企業で奮闘している担当者の方々の思いを知ることができました。

2030年、2050年の地球環境を希望ある場所にするための取り組みに参加し、それぞれの会社で戦う方々の力になれるよう、これからも取り組んで参ります。