エコトピック

2020.06.15

【SCOPE3 算定に挑戦!】カテゴリー5 廃棄物

トラックと廃棄物

弊社が現在行っている、環境省の中小企業向けSBT・再エネ100%目標設定支援事業について、これまで4回に渡り紹介しています。

1回目「【SBT目標 SCOPE1,2算定に挑戦!】何から始めればいいの? 
2回目「【SBT目標 SCOPE1,2算定に挑戦!】SCOPE1,2の計算方法!
3回目「【SCOPE3 算定に挑戦!】カテゴリー1,2,3の計算方法!
4回目「【SCOPE3 算定に挑戦!】カテゴリー4 輸送、配送(上流)

5回目は、SCOPE3の【カテゴリー5 事業から出る廃棄物】についてです。
※SCOPEとは何か、については、第1弾をご確認ください。

カテゴリー5 事業から出る廃棄物ってどうやって算定するの?

カテゴリー5では、【どんな種類の廃棄物】が【どれくらい】排出され、【どのように処理されているのか】を把握する必要があります。

弊社は作業場所からの産業廃棄物と、事務所や拠点からの産業廃棄物、及び一般廃棄物を排出しています。

作業場所からの産業廃棄物はマニュフェストに【産業廃棄物の種類】と【量】が記載されています。

SCOPE3 カテゴリー5 産業廃棄物種類

データで記録していたため、それをもとに分類しました。

管理型混合廃棄物の排出原単位がない!?

マニュフェスト項目には、【管理型混合廃棄物】という廃棄物種類があり、弊社の作業現場からの産業廃棄物の27%を占めていました。

ところが環境省の排出原単位データベースには項目がありませんでした。

【管理型混合廃棄物】とは何かを調べると、埋め立てた時にしみ出す水が地下水などを汚染する可能性のある産業廃棄物、とありました。

この情報だけでは、何が含まれているのかわからないため、廃棄物処理業者の方へ確認したところ、「袋に詰められ、中身がわからないものを、伝票上【管理型混合廃棄物】にさせてもらっています。処理の過程で分別しています」ということでした。

拠点に持ち込まれた産業廃棄物の袋の中身を簡単に調査すると、主に廃プラスチック(塩ビ管や養生シート、梱包材の発泡スチロール)と、金属(銅管や配線など)と、木材(大型室外機を支える台)であることがわかりました。

そこで、廃プラスチック5割、金属2.5割、木材2.5割と設定し、廃棄物種類ごとの重量に追加しました。

結果、弊社の作業現場からの産業廃棄物は下記の内訳となりました。

SCOPE3 カテゴリー5 産廃割合
処理方法で温室効果ガス排出量が変わる!

廃棄物は処理方法によって温室効果ガスの排出量が変わるため、排出原単位(※資料①)が異なります。

※資料①:環境省HP 排出原単位データベース(Ver.2.6) 

マニュフェストには【処理方法】という項目があり、出された産業廃棄物どのように処理されたか、記載されています。

SCOPE3 カテゴリー5 廃棄物処理方法

弊社の場合、ほぼ全て【破砕】とされていました。しかしこれでは、燃やされたのか、埋め立てられたのか、リサイクルされたのか、わかりません。

そこで、廃棄物処理業者に確認し、全てリサイクルされていることがわかりました。ただ、木材と紙くずはサーマルリサイクル(焼却し熱をリサイクル)ということで、焼却の排出原単位を使いました。

カテゴリー5

※資料①(環境省DB):環境省HP 出原単位データベース(Ver.2.6) 

これらの情報から、作業現場からの産業廃棄物の温室効果ガスを下記のように算定しました。

■計算式

 【各廃棄物の排出量(t)】×【各廃棄物の排出原単位】の合計値

事業所、拠点からの廃棄物量がわかる場合の算定!

弊社から排出された廃棄物は、作業現場からの産業廃棄物だけでなく、事業所や拠点からの廃棄物も含まれます。
これらの廃棄物は【一般廃棄物】か【産業廃棄物】の分類だけでした。

産業廃棄物について、処理業者に確認したところ、ほぼ業務用エアコンの洗浄に使用した養生シート(廃プラスチック)であることがわかりました。

また一般廃棄物について、各拠点にゴミの中身を確認したところ、主に【燃えるゴミ】ということで、【紙くず】として算定することにしました。

■用いた排出原単位

【産業廃棄物】:0.136t-CO₂e/t
 ※【8】廃棄物種類・処理方法別排出原単位「廃プラスチック類」リサイクル
【一般廃棄物】:0.0365t-CO₂e/t
 ※【8】廃棄物種類・処理方法別排出原単位「紙くず」

■計算式

【事務所、拠点の産業廃棄物量】×0.136t-CO₂e/t 
+【事務所、拠点の一般廃棄物量】×0.0365t-CO₂e/t

特定の事務所の廃棄物量がわからない!!

全国の事業所、拠点のうち、2か所から出る廃棄物の重さを調べようとしたところ、回収業者からの請求書は【定額】で一式の金額が記載されているだけでした。電話して確認しても、重量の記録はないとのことでした。

廃棄物 温室効果ガス排出量 請求書データ 一式バージョン

そこで、金額から下記の排出原単位を使って算定しました。

・16.37tCO₂e/百万円
 ※【5】産業連関表ベースの排出原単位(公営)

■計算式

【重量がわからない一般廃棄物の処理費用※百万換算】×16.37tCO₂e/百万円

弊社のカテゴリー5 廃棄物からの温室効果ガス排出量は?

以上を踏まえ、弊社のSCOPE3 カテゴリー5に該当する廃棄物からの温室効果ガス排出量は、下記のそれぞれの排出量を足すことで算定しました。

【作業現場からの産業廃棄物】
+【管理型混合廃棄物】
+【重量がわかる事業所、拠点からの産業、及び一般廃棄物】
+【重量がわからない事業所、拠点からの一般廃棄物】

最後に

カテゴリー5は、企業それぞれで日頃からどのようなデータを記録しているか、により算定方法は変わってきます。ここでは、考え方や使用した排出原単位などをご参考いただければ幸いです。